44.袋小路に追い詰めろ
鬼ごっこ終了です。
「二人とも案とかある?」
とりあえず二人の意見も聞いて練り直そう。
「こんだけ目立ってるんだ、袋小路で正当防衛の振りして脅す。ただしお前さんが6対1に勝てるかだ。」
「囲まれると俺も少し怪しいかな。実際にやってみないとわからないが体つきは一般人以上だろう、あとは戦闘経験がどのくらいかだな。」
「サングラスはあきらめて警察に言って後で事情を聞いたら駄目かしら。」
「サングラスが解析できないのももったいないし奴らが正直に口を割るとは思えないし、第一、情報を持っているのか。安全性は高いが情報収集が欠けるな。」
交番を通り過ぎながら考えをまとめようとする。
「ああ、駄目だ。あのサングラスの性能がわからないからまとまらん。」
そういえば、何であいつらまとまって俺を追いかけるんだろうか。探索をしているときは各自ばらばらで行動してたよな。俺達を見つけてから集団でまとまって行動し始めた。反応をキャッチするタイプなら壁も貫通して捉えると思っていたがそうでもないのかもしれない。俺と同じような見え方なのか。そうだ、あの
おじさん。あのおじさんは俺達に曲がり角でばったりあって驚いていた。仮に幽霊の反応があって近づいたら人間がいたという驚きも考えられないことではないが、その後の行動を見ると壁越しの幽霊に個人で来るのは考え辛い、つまり壁越しは見えない。
「貞時、この子持って飛べたりするか?」
「いや無理だろうな。なぜかは説明し辛いが無理だ。お前さんの寄り代ならいけるんだろうがな。」
「わかった。壁とかは超えられるのか。」
「俺らでも時間はかかるしかなり疲労が出る。この子にやらせるのはリスクがでかすぎる。現実的じゃない。」
「そうか。」
「智玄、速度上げて距離10」
「わかった。」
考え事をすると足に頭が回らないな。でも何となく見えた。
「貞時、先行して窓か扉の開いた建物が隣にある袋小路を探してくれ。まずは人通りの少ない場所に出る。」
「注文が多いぞ限定的だな。」
文句を言いながら前を先行した。
「作戦は決まったお嬢ちゃんちょっと手伝ってくれるかい。」
紅姉さんと少女に作戦を伝え、貞時にも伝えて後は適した場所を探す。
「見つけたぞ距離200扉だ、開けっ放しのタイプの雑貨屋だ。」
周囲には人がいなくなり俺達の追いかけっこは続いていた。
作戦ポイントに差し掛かって俺は袋小路の路地に入った。
俺はその場に霊体を抱えながら、絶望と疲労によって倒れたように横になった。
「やっと追いついたな。」
「ハァハァ。」
「息が上がって声も出ないか。」
「何故、幽霊を狙う。」
睨みつけるように集団を見上げる。全員が中に入ってきている。
「俺達は雇われバイトみたいなものでな。詳しいことまでは知らん。他の二体は浮けるみたいだし飛んで逃げたか。まあいい、まずはその子を頂くよ。」
リーダー格のような少し大きい男が首で合図し一人の男が前に出る。リーダー格ともう一人がその様子を見て、二人が上空にいないかと見渡していて後方の一人が周囲の様子を見ている。
「おとなしくしてなお前には危害は加えんよ。」
「うわっやめろ来るな。」
手を伸ばしてきた男の手を振り払うように反応して、裏拳で男の顎を捕らえた。手を伸ばしたまますーっと俺の横に倒れていった。
「やろう。」
その様子を見て男達は意識をこちらに向け構えた。警戒心むき出しの男達がこちらを見ている。
「え、何?あたった?あれ、死んだ?え、うそうそ死んで無いよね。」
フルスロットルでとぼける。脳震盪による気絶だ、死んだ訳ではないが長時間の放置するといつ起きるかわからないので速く次に動きたいが、相手が動かないとやりづらい、1対5は分が悪いしなるべく多く確保したい入口から近いので逃げられないように近づいてきてもらうしかない。
霊体を背中の後ろに隠し驚いて上体を起こしている状態になっている俺に一人が慌てて取り押さえようと襲い掛かってくる。
「力ずくでも大人しててもらうぞ。」
「え、うわぁ。」
俺の肩を押さえながら横に倒し取り押さえこんできた。俺も相手の肩の首に近いところに手をかけ、押し返すような形になる。
人差し指を相手の首の横にあて、圧迫する。
スッと力が抜け倒れこむそっと横に流して立ち上がり4人を見る。
もうすっとぼけも聞かないのでとぼけたおどおどした顔や態度はやめている。相手もただらなる事態を把握し緊張が走っていた。
「・・・。」
「おとなしく情報を提供するか。抵抗して情報を吐くか。逃げるか。三択かな?」
親指、人差し指、中指と順番に上げながら話しかける。
「いや、4択だ。」
「あと何かありました?」
「お前をぼこぼこにして仲間ごと回収するんだよ。」
リーダー格の男が拳を上げて向かってきた。
「待ってリーダー。」
後ろを見ていた男が止める。
「幽霊はどこに行っちまったんだい。」
「は?」
さっきまであった霊の反応は俺の両足だ、だから疲れたフリをして横になった。三人は曲がるときに建物の中に入った。そして壁で見えなくなっているうちに横たわり足のみを離脱させ抱えるように持った。あたかも子供の霊を抱きかかえているように見せた。幽霊の識別が出来ていれば守っているものが足だということがすぐにわかるが、連中はその判別が出来ない。
「どこへ隠した。」
「さあ、この路地に入ったのは俺だけだよ。」
「さっきまで幽霊と一緒にいただろう。」
「いや、あんた達以外は俺しかいなかったぞ。」
リーダー格は少し考える。
「あ、あと俺まだ疲れて無いから追いかけっこなら付き合うよ今度は俺が鬼かな。それと、俺達のことだいぶ広まってるらしいよ、サングラスの集団が一人の男を追いかけていたって。」
笑顔で語りかけて脅してみる。
「よし。」
どうやら答えが決まったようだ。
「どうやったら逃がしてくれますか。」
綺麗に礼をして助けを求められた。
「全員のサングラスとグローブ、それと依頼主の情報を持ってる分全部吐いてね。出せる分じゃないよ持ってる分。」
「わかった。一番詳しいのは俺だ。」
「それは間違いない?」
他の三人に問いかけると全員が頷いた。
「俺がサングラスを受け取り仕事の説明も受けた。こいつらはむしろ組織の事すら知らない。」
その言葉も全員が頷いた。俺は倒れている二人の男をはたきながら起こした。事情をリーダー格が説明しおとなしくなった。組織とはまた物騒な話になってきたな。
「それじゃあ全員俺にサングラスとグローブを渡してリーダー格を除いて撤収。下手なことするなよ外傷がほぼ無いんだから警察に言っても正当防衛がたまたま上手くはいって逃げ出したといって有利取るから。」
「俺達の負けだ。お前らおとなしくしてろよ、終わったら俺もすぐ行くから。」
頷きながら五人は去っていった。
「さて、それじゃあ早速聞いていくよ。」
「ああ、まず俺の知っていることを話そう。俺達はもともと面識はなく、ある日の一通の封筒から俺達は知り合った。封筒には現金10万円と手紙が入っていた。
内容は集合時間、場所、10万円は前金だということと仕事を頼みたいといった内容だ。これはあいつらにも確認してあるから間違い無い。
そこでリーダーを一人決めろといわれ俺がリーダーになった。そこから俺だけが呼ばれサングラスと仕事内容を聞いた。全身にローブのようなものを纏いボイスチェンジャーも使っていたから男か女すらわからなかった。」
「成程。目的と名前は。」
「名前は名乗らなかった目的はこのエネルギーを使う為だ。だからなるべく傷はつけるなと言われ、経費込みで100万円を受け取った報酬は歩合制で支払うと言われた。」
「エネルギー。」
「どうやってとかどこに本社があるとかは知らない。すまん。情報はここまでだ。」
胡散臭いがそもそものものが胡散臭いのでそれを信じるしかないか。まあ物は手に入ったしとりあえず報告してみてだな。
「とりあえずはわかった。あと話してないことは無いな。」
「ああ無い。そもそもの情報量が少ないんだ。バイトみたいなものだからな。たいそうな情報を持っているように言ってしまって悪かったな。」
「いや、無いよりマシだ。」
「あれぇ?しゃべるなって言わなかったけか。」
突然前から変な声がした。仮面とコートで全身を隠し、ボイスチェンジャーで声すら隠していた。
リーダーも振り向きすぐに距離をとった。
まず始めに大変申し訳ありませんでした。38話のあとがきで書きました通り、リアルの方がかなり忙しくなってしまい二日も更新が止まってしまいました。一通り落ち着きましたのでまた更新していけると思います。これからもご愛読の方よろしくお願いいたします。




