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不可思議少年和田智玄  作者: おこめi)
25/55

25.仕事の話

ここしばらく事務所で話しっぱなしですね。

 ああ、漱石そうせきか、たしかに名前(なまえ)()けちゃえばもう出来できないな。そして、名前なまえいときに自己紹介じこしょうかいするタイミングはおそらく最後さいごになる。わかるんだけどかえかたがわからない。おれふく全員(ぜんいん)()まってしまった。


「ああああ、やっぱりすべったじゃなの。おまえのせいだぞどうしてくれるのよ、この空気くうき。」

「すまん、まさかやるとはおもわなかった。」

責任転嫁せきにんてんかしないでくれます。ちょっとだれよめですか。わたし智玄とものりよめですわよ。わたし責任せきにんしつけていいのは智玄とものりだけです。」


 何言なにいってんだよパニックでおかしくなってるな。語尾ごびもおかしいし。おれがり二人ふたりのほうをる。


「ああ、け、パニックになってわけわかんないこといってるぞ、さらっとよめ名乗なのるなおれおっとじゃない。」

「そんな、昨晩さくばんはあんなに積極的せっきょくてきでしたのに。」

誤解ごかいまね表現ひょうげんはやめよう。というか貞時(さだとき)何吹(なにふ)んでんだよ。」

「すいません。つい出来心できごころで、カッとなってやってしまいました。」

「おい、ついに、犯罪者はんざいしゃみたいなことしたぞ。

 ああ、大丈夫だいじょうぶだからすべってないからあまりにもレアな状況じょうきょうで、みんなあたま処理しょりいつかなかっただけだから。な、大体だいたいあいつがわるい。」


 おもいっきり貞時さだとき指差ゆびさす。

 あたまかいてえへへみたいにするな気色悪きしょくわるい。


「はっはっはっはっはっは。」


 俺達(おれたち)三人(さんにん)予想よそうもしなかったところからのわらごえおどろいた。社長しゃちょう爆笑ばくしょうしていた。あんまり面白おもしろいことしてないぞ。


「いやーわるわる堅苦かたぐるしいのはしにしよう。」


 ネクタイをりシャツのくびのボタンをはずした。


「だからったでしょ社長しゃちょう普通ふつう格好かっこうでいいって。」


 伊東いとうさんがおぼんみっつのカップをって登場とうじょうした。状況じょうきょうくわからない、おれ戸惑とまどっていた。


「えーっとどういうことですか。」

「いや、社長しゃちょう初対面しょたいめんだしきちんとめたほうがいいだろうってスーツでたのよ。わたしべつ面接めんせつじゃないし説明会せつめいかいへん気合きあいれるな。ってめたんだけど。」

第一印象だいいちいんしょうって大事だいじじゃん。」

「どうせすぐ社長しゃちょう印象いんしょうわるんで安心あんしんしてください。」

「えーそれどういうこと。」

「はいはい、閑話かんわはここまで本題ほんだいはいって下さい。」

「え、まだいてけぼりなんですけど。」

「まあ、気楽きらくいて頂戴ちょうだいって理解りかい十分じゅうぶんよ。」

「はあ。」


 いまいちちないがまあ》にしなくていいならそれでいいし、さっきまでの緊張感きんちょうかんある空気くうきくらべたらこっちのほうらくだ。かお微笑ほほえんでいるんだが、真剣しんけんになっていた。ここからが本題ほんだいってことなんだな。


冷衣君れいくんからいているとおもうがうちは今人手不足いまひとでぶそくだ。もちろん募集ぼしゅうしてないわけじゃないんだけどあつかってる仕事しごと仕事しごとだから出来できひとすくないんだ。ここまではわかるかな。」

「はい、えるひとでないと駄目だめってことなんですよね。」

「そうだね。まあえないひとでも特例とくれいやとったりもするけど今必要いまひつようなのは現地げんちでアクティブにうごける人員じんいん、そうなるとえて尚且なおかつ、生死せいしかかわることだからねうごける人材じんざいじゃないと駄目だめなんだ。」

えるひとでもかぎられるのに尚且なおかうごけるひと ですか。むずかしいですね。」

「だろ。だからきみみたいな人材じんざいはスカウトしてるのさ。ま、きみ場合ばあいはそれだけじゃないけど。」

「ん、どういうことですか。」

「さっききみ冷衣君れいくんから説教せっきょうけたろどう結論付けつろんづけたかな。」


 午前中こぜんちゅうのか。簡潔かんけつこたえちゃっていいのかな。


「わかんなかったので高校こうこう卒業研究そつぎょうけんきゅうにしました。」

「やっぱりわかんなかったか。んじゃ尚更なおさらだな。

 ここでまなんでみてはいかがかな。きみ卒研そつけんいのちかかわる。わか粗末そまつ見捨みすてるのは我々(われわれ)趣味しゅみじゃないフォローさせてくれ。きみ研究けんきゅう。」

「いいんですか、厄介やっかいになって。」

「もちろん、まあ、本当ほんとうのところはきみれいたぐいかれやすいようだから見張みはっておきたいんだけどね。」

「え、かれやすいんですか。」


 べつむかしから霊的れいてき現象げんしょうにあってないし、えるようになったのも最近さいきんだしあんまり自覚無じかくないな。


「はっはっはきつい冗談じょうだんだ。」


 ひざたたいて社長しゃちょう爆笑ばくしょうをしていた。冗談じょうだんったつもりなんていんだが、それとも社長しゃちょう経験則けいけんそくでわかったりするのか。でも、そんなにわらうことかな。おれくびをかしげていた。伊東いとうさんにけるとわらっていたがこちらの目線めせんづくと「え、マジ、なんかごめん。」みたいな表情ひょうじょうをそらされた。

 ひとしきりわらった社長しゃちょうつづける。


「そんなたいそうな二人ふたりれいかれて自覚じかくいなんてうまい。」

「・・・・。」


 おれ無言ぶごんまずそうにをそらすことしか出来できなかった。


「え、マジ、なんかごめん。」


 その様子ようすづき、社長しゃちょう謝罪しゃざいをもらった。

 そうだよね、まずかれることがおかしいもんね。しかも二人ふたり、すごい自然しぜんはなすからわすれてたよ畜生ちくしょう


「ま、まあ、そういうことで是非ぜひうちにてもらいたい、無論むろんバイトだいすよ。あ、これ資料しりょうね。」


 された内容ないよう一通ひととおた。

 まず、時給じきゅうほかのバイトとちがう、最低賃金さいていちんぎん二倍にばいくらいある。そして完全週休二日制かんぜんしゅうきゅうふつかせい週休二日制しゅうきゅうふつかせいじゃない、完全週休二日制かんぜんしゅうきゅうふつかせいだ。まあ、バイトだからあんまり関係かんけいないけど、有給有じきゅうあり各種手当かくしゅてあありなんうらがあるんじゃないかっていうくらいホワイト、ん、なんだこれ。

 おれ見慣みなれない単語たんご質問しつもんをする。


「あの、この緊急招集有きんきゅうしょうしゅうありってなんですか。あと緊急手当きんきゅうてあて、もいたこといですね。」


 なんかブラックなかおりがするぞ。


「あ、それ、今回こんかいかったけどほらこういう仕事しごとだし緊急事態きんきゅうじたい発生はっせいするんだよね。最近多さいきんおおくなったし。」


 そうだなここ10ねん霊的れいてき被害ひがい急増きゅうぞうしている。こまかいものがほとんどであまり調しらべてないが、たまにテレビやネットで話題わだいになるほど大きな災害が起こる。


「そういうときにるんだよね、くにとか自治体じちたいから要請ようせいがあって、そういうときにもうわけないけどすのが、緊急招集きんきゅうしょうしゅう、んでその手当てあてってわけ。」

最近さいきん霊的れいてきなものを意図的いとてき使つかった犯罪はんざいてきてるのよね、だからおおくなってきてるわ。でも、その分儲ぶんもうかる。」


 伊東いとうさんが、みぎひらうえにし、人差ひとさゆび親指おやゆびつく説明せつめいしてくれる。


成程なるほど。よくわかりました。」

はいりたいとおもったんだったらご家族かぞく相談そうだんして連絡れんらくして、面接めんせつかならずご家族かぞくから一人以上ひとりいじょう参加さんかしてもらうから、きみ年齢ねんれいだとご両親りょうしんのぞましいかな。」

「え、家族同伴かぞくどうはん面接めんせつなんですか。」

「そうだよ。何度なんどうけどいのちかかわる仕事しごとだ。かならずご家族かぞくには説明せつめいする必要ひつようがある。これはわがしゃ義務ぎむだとおもっているよ。」

成程なるほど、わかりました。」

「あ、ごめん。いるていはなしちゃったけど大丈夫だいじょうぶだったよね。もし駄目だめだったらもうわけない。」

大丈夫だいじょうぶです。ちゃんといます。」


 さて、くところはここまでかな。になるところはとくいな。資料しりょう連絡先れんらくさきってるしあとからづいても連絡れんらくすればいいか。


「ありがとうございました。おや相談そうだんします。わからないこととかあれば連絡れんらくします。」

「ああ大丈夫だいじょうぶ面接めんせつはいつでもいいよ。連絡れんらくをくれれば、そちらの都合つごうわせるから。」

「わかりました。」


 おれはぐっとされていたほどよい温度おんどのおちゃがった。


今日きょうはありがとうございました。失礼しつれいします。」

「おれいうのはわたしほうよ、仕事しごとはやわったし、面白おもしろ情報じょうほうけたわ。ありがとう。」


 伊東いとうさんの言葉ことばとびら再度一礼さいどいちれいおれいえかえった。


次回鬼娘の名前が出ます。

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