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不可思議少年和田智玄  作者: おこめi)
2/55

2.とある世界へ半身浴

2話です。あらすじの後半を補完できてるとおもいます。

・・・


 めると公園こうえんのベンチとはおもえないほど心地ここち場所ばしょにいた。ふかふかとはがたいが清潔せいけつたもたれているベット、しろをメインとしてあかるく清潔感せいけつかんのある見慣みなれない天井てんじょうすこあたたかいくらいだとかんじる室温しつおん病院びょういんだなこれ。

 状況じょうきょう確認かくにんするために看護師かんごしさんをぼうと、上体じょうたいこした。

 まえにはちゅうさむらいがいた。


「おはようございます。」


 こちらの様子ようすうかがっていたのか、きた拍子ひょうしさむらいとばっちりってしまった。

 ジェントルメンとして挨拶あいさつ基本きほんおれ社交辞令しゃこうじれいのこもった、さわやかな笑顔えがお挨拶あいさつさむらいにかました。時間帯じかんたいはわからなかったが、きたばかりだしへんではないだろう。

 さむらいは、さかわせの和服わふくつつみ、空中くうちゅう胡坐あぐらをかいて頬杖ほおづえをついていた。20代後半だいこうはんのような細身ほそみのイケメンといったかんじだが、うで胸元むなもとからえる筋肉きんにくは、つけようとしてつけたものではなく、日頃ひごろ丹念たんねんによりつちかったものとみられる、無駄むだのないがっちりとしたものだった。口元くちもとから法令線ほうれいせんのように綺麗きれいびているひげがより迫力はくしょくかんじる。左腰ひだりこしにはかたなたずさえていた。

 挨拶あいさつけ、おどろ正気しょうきうたがうようなをされた。すこかたふるわせたのちに、ひざたたいてわらった。


「ハーッハッハッハ。いている初対面しょたいめんおれたいする一言目ひとことめがそれか、ックックック、ああ、すまない、おはようございますだな。」


 ひとしきりわらうと挨拶あいさつかえしてくれた。多分(たぶん)()さむらいだな。


流石さすがだな。おまえさんこういうのにれているのか?」

「こういうの?あんた(なに)()ってるんだ?」

「・・・え」

「え」


みょう空気くうきながれた。さむらいくちにした。


「んー。おまえさんかえってみな。」


 あたまかかえながらさむらいった。


「はあ~お(まえ)(なに)()ってるんだ、かえったところでベッt,,,」


 和田智玄わだとものりねむっていた。


「えええええええええええ!?」


 どうやら幽体離脱ゆうたいりだつをしていたようだ。なんでこんなことに。


「これ大丈夫だいじょうぶかなぁもどれるかなぁ」

「いや、わかんねぇけどもどってみたらいいんじゃないか。」


 あせおれはとりあえずさむらいうとおりからだはいるように、再度さいどベットにた。

 よくわからないが自分じぶんからだ自分じぶん馴染なじんでいくようなかんじがした。そして再度(さいど)(からだ)こした。今度こんどからだともがることに成功せいこうした。


かった~。一時いちじはどうなるかとおもったぜ。」


 からだとドッキングしてもさむらいることができていた。


「あれ?まだえる?」

「もともと、そういうたぐいのものはいままでえていなかったのか?だったら今回こんかいのことがきっかけで、えるようにになったのだろう。」

「マジかよ。」

「そういえば自己紹介じこしょうかいがまだだったな。おれは菊池 貞時きくちさだときだ。今後こんごまえさんのものとなるから今後こんごともよろしくおねがいする。」

「ああ、おれ和田智玄わだとものり高校こうこう1ねんだ。こちらともよろしk,,,」


 ひびてきにはいたことがある言葉ことばだが、タイミングとしておかしな単語たんごみみとどき、言葉ことばまってしまった。


ものってなに!?」

「ん?簡単かんたんえばおまえさんにとりいたことになるな。」

了承りょうしょうなしで?」

了承りょうしょうなしで。まあ、ちょうどいいだろうおまえさんはこちらの世界せかい半身(はんしん)()()んでいるようなもんだぜ。ズブズブだぜ。」

片足かたあしでなくて?」

いままでえるひと色々(いろいろ)あってきたが、おまえさんは一番いちばんこっちにちかいな。片足かたあしじゃまないな。」

「そうだとしてもくないだろ。」

いのちねらうような悪霊あくりょうもいるわけだし、こちらの世界せかいとのかかわりかたおしえるし、れいとのいくさなら助太刀すけだちするぞ。自分じぶんうのもなんだが、そこそこうでには自信じしんがある。おれしろれることができたし、おまえさんにいていくと退屈たいくつしなさそうだしな。わるくないはなしだろう。」

「でも、おまえおれ人生じんせいつねのぞまれているようなものだろ。いやだわ。」

大丈夫だいじょうぶおれ伊達だてなが存在そんぜいしているわけではい。空気くうきんで、おまえさんのとどかないところへ移動いどうするから安心あんしんしろ。(おとこ)同士(どうし)いろいろかっているから。」

「いや、まあ、そこもそうなんだが、なんというか。」


 おれあたまかかえた。あんまりへんなことにかかわりたくないのだがなぁ。わらいながらかたたたいておれさとさむらい今後こんごのことになやんでいるとぐちひらき、看護師かんごしさんがおれのほうをたとおもったら、おどろいてあわててどこかへってしまった。


先生せんせいれい患者かんじゃさんが復活ふっかつしています。どうしましょうあたまつよたれたのか、なにもないところへ会話かいわをしています。」


 復活ふっかつってなんだよ。まるでひとんでたようなまわしだな。

 ・・・いや、あなが間違まちがっていないのか。そして、あまりにもはっきりえるから油断ゆだんしていたが、まわりからはこいつはえていない。たり前田まえだのクラッカー。今後こんごはこのたぐいやつとの会話(かいわ)方法(ほうほう)かんがえていかないとな。

 しばらくすると、先生せんせいおもわしきひと入室にゅうしつしてきた。


(きみ)大丈夫(だいじょうぶ)かね。からだがうまくうごかないとか違和感いわかんとかないか。」

 けたたましくはいってきたとおもったら、いきなり問診もんしんはじまった。


「いやぁ、きみはこまれたときおどろいたよ。公園こうえんひと凍死とうししていましたとはこまれた、呼吸こきゅう体温たいおんからは絶望的ぜつぼうてき状況じょうきょうではあった。だが、心電図しんでんずてて驚愕きょうがくしたよ。通常つうじょうよりもかなりゆっくりではあったが、うごいていたんだよ。あわてて点滴てんてきをし、栄養えいよう体温たいおん確保かくほつとめたよ。いまが、9時半じはんだから大体だいたい5時間じかんくらいまえはなしだよ。」

大変たいへん迷惑めいわくをおかけしました。」

 

 はいってていきなり問診もんしんされたが、ひとまずは問題もんだいなさそうということだった。

 そのあと、40代後半だいこうはん眼鏡めがねでおっとりとした表情ひょうじょう先生せんせいに、何故(なぜ)自分(じぶん)がここにいるのかをいた。ここまでの経緯けいいかり、おれ先生せんせい謝罪しゃざいをしていた。


「いやいや、きみ元気げんきそうで安心あんしんしたよ。これからはいくら丈夫じょうぶからだでも、ちゃんと睡眠すいみんをとるんだよ。」

「はい、わかりました。このたび本当ほんとうにありがとうございました。」

「それじゃあぼく仕事しごとがあるからこれで失礼しつれいするよ。かるくストレッチでもして、自分じぶんでもう大丈夫だいじょうぶかったら退院たいいんでいいからね。」

「わかりました。」


 おれ荷物にもつをまとめロビーで会計かいけいまし、病院びょういんあとにした。

 治療費ちりょうひといっても生死せいし確認かくにんして、点滴てんてきれられただけでくすり手術しゅじゅつもなく、いていた相部屋あいべやほうまれただけなので、おもったよりかからなかった。

 そとると一面(いちめん)雪景色(ゆきげしき)になっており、まだ多少(たしょう)(ゆき)っていた。


さむッ」


 時期じき時期じきのためそれなりにあたたかい恰好かっこうをしていたが、ゆきがあるのとないのでは体感(たいかん)温度(おんど)わってくる。

 時刻じこくは10時半じはんていたとはいえ朝食ちょうしょく毎日まいにちしっかりおれ胃袋いぶくろは、食料しょくりょうもとうめごえをあげている。

 なにべてからかえろうと病院びょういんあとにした。さむらいよこれながらだ。

転生ではなくただの蘇りです。

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