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不可思議少年和田智玄  作者: おこめi)
1/55

1.さらば智玄

初投稿です。至らぬ点も多々ありますがよろしくおねがいします。

ねむい,,,」


 バイトが最後さいごだからっていつもよりなが時間じかんてほしいとたのまれ、夜中よなか帰宅きたくをしていた。

 12月末がつまつとしそうとしているふゆ夜中よなかさむい、高校生こうこうせいとなり体格たいかく金髪きんぱつ地毛じげなどから不良ふりょうのレッテルをられ、にがおものある中学時代ちゅうがくじだい地元じもとはなれ、一人暮ひとりぐらしをはじめてはつ年越としこしをむかえようとしていた。

 高校生こうこうせいになっても、入学早々(にゅうがくそうそう)上級生(じょうきゅうせい)ともめごとこし、勝利しょうりおさめてから中学ちゅうがくおなじように不良ふりょうとしての学校生活がっこうせいかつおくっていたため、冬休ふゆやすみになってもあそ相手あいてもいなく毎日まいにちバイトの日々(ひび)おくっていた。

 そのけがまったのかいま非常ひじょうねむい。睡魔すいまたたかいながらの帰宅きたく限界げんかいむかえベンチで仮眠かみんをとることにした。


ゆきってきたな,,,流石さすがにまz」


 まずいかとおもったときにはすで意識いしきんでいた。睡魔すいまにはてなかったよ。


・・・


 不図気ふときづくと立派りっぱ建物たてものなかなぞ行列ぎょうれつならんでいた。白装束しろしょうぞく行列ぎょうれつだった。いつのにか自分じぶん服装ふくそう白装束しろしょうぞくになっていたが、そんなことはにもめなかった。

 なん行列ぎょうれつかもらないが、興味きょうみもなかったためおれれつはな邪魔じゃまにならないようにはしらほう移動いどうし、た。おやすみなさい。

 ようとおもったら一人ひとりのおじいさんがこっちにこえをかけてきた。


きみならばなくていいのか。」

なん行列ぎょうれつかわかりませんし、そんなことよりいまねむいんで大丈夫だいじょうぶです。おじいさんこそいいんですか、列抜れつぬけちゃいましたけど。」

「ああ、わしはべつ最後さいごでもいいからな。」

「そうですか、すいませんもうねむいんでお心遣こころづかいありがとうございます。」




 わたし死後しご世界せかいんだ者達ものたちさきしめ仕事しごとをしている。今日きょう本日分ほんじつぶん死者ししゃさばろうとしていた。


「おまえ最後さいご一人ひとりだな。」


 本日分ほんじつぶん帳簿ちょうぼらしわせながら確認かくにんしている。地獄じごくおそれつならんでないものもたまにあらわれるため毎日(まいにち)帳簿(ちょうぼ)死者ししゃとをにらめっこしている。帳簿ちょうぼわないとさがして帳尻ちょうじりわせないといけない、そうなると残業ざんぎょうとなる死後しご世界せかいだからってはたらかせすぎだろ。今日きょう死者ししゃすくなくみんな素直すなお帳簿ちょうぼとの差異さいがなく、ひさしぶりにはやわりそうだ。わり次第久しだいひさしぶりにゆっくりとやすむことができる。


わたし最後さいごですか?もう一人ひとりいるはずではねむいとってれつからはずれてているものがいるはずですけど。」


 最後さいご死者ししゃくびをかしげながらこたえた。おどろきとともにあせわたしやすみがながれていくことを実感じっかんした。


「そ、それは本当ほんとうか。」

「はい。れつからはず邪魔じゃまにならないところでよこになっておりました。になりましてわたし一度列いちどれつからはずこえをかけたので見間違みまちがいということはないとおもいますよ。」

「なるほど情報提供(じょうほうていきょう)感謝(かんしゃ)する。まずは貴様きさま審判しんぱんくだす。」


 最後さいご審判しんぱんあと部下達ぶかたちにも捜索そうさく指示しじさがしていた。帳簿ちょうぼっていないものがいるという、いままでにないイレギュラーな事態じたいのため全員ぜんいん緊張きんちょうはしっていた。とおくのほうで「つけた!」のこえき、いそいでこえほうかった。本当ほんとうていた。




 たくさんのひとかこまれこされてました。全員(ぜんいん)不思議(ふしぎ)そうなかおをしてていた。

 すこししてほか人達ひとたちとはちが上司じょうしのような風貌ふうぼう女性じょせいがやってきた。あたまには”しん”の文字もじはいったかんむりをかぶっていた。


「お前名前まえなまえなんという、なぜている。」


 勝手かってひと敷地しきちていたのは流石さすがにまずかったかともおもいつつ眠気交ねむけまじりにこたえた。


名前なまえ和田智玄わだとものりです。ていたのはねむかったからです。道路どうろのベンチで仮眠かみんをとっていたとおもったらここにいました。行列ぎょうれつができていたので邪魔じゃまにならないところに移動いどうしました。」


 こたえながらあたままわってなさを実感じっかんする、ねむいからてたって質問しつもんたいしてのこたえになっていない。

 かこんでいた全員ぜんいん変人へんじんるようなをしていた。上司じょうしのようなひと指示しじ何人なんにんかがどこかへってしまった。

 迷惑めいわくからないようなところでているんだ、そんな集団しゅうだんかこまれ不思議ふしぎなものををされてもこまる。ただていただけなのに。

 まわりきっていないあたまでどうでもいいことをかんがえていると、 最初さいしょていた女性じょせいがまた質問しつもんをしてきた。


「ここまでの記憶きおくはあるか?」

「バイトでここ数日(すうじつ)無理(むり)をしていて日頃ひごろ無理むりがたたったのか、かえ(みち)非常(ひじょう)ねむかったです。

 ぼーっとしてトラックにでもかれてんでしまったら洒落しゃれにならないので、公園こうえんのベンチで仮眠かみんろうとしたところまではおぼえています。」


 そういえばいつの白装束しろしょうぞく着替きがえたのだろう。おれふくはいずこへ。

 ひとねむりしたこともあり、様々(さまざま)疑問点ぎもんてんがってくるようになってきた。おれ質問しつもんこたえた後、上司じょうしのようなひと中心ちゅうしんにぶつぶつとはなしていると、上司じょうしのような女性じょしなにかあきらめたようなつかれたかおをしてためいきをついた。


「はぁーほんと冗談じょうだんはよしこちゃんだよぉ。帳簿ちょうぼにも報告ほうこくにもがっていないってなに今日きょうひさしぶりにはんドンでがれてゆっくりやすめるとおもったのに、チョベリバもうわたしドロンしていえてていい?」

「「ダメです。」」


 一瞬いっしゅんにして状況じょうきょうがつかめなくなってきた。まわりの部下ぶか人達ひとたちこわれた女性じょせい制止せいしする。キョトンとしたかお混乱こんらんしていることにいて、女性じょせいこえをかけてきた。


おどろかずにいてもらいたい、おまえ今死後いましご世界せかいている。」

「へぇー。」


 薄々(うすうす)(かん)じていたてんもあり、とても興味きょうみのない返事へんじをしてしまった。


「あっさりれたな。もっとこうおどろくものじゃないのか。」

「まあ、雰囲気ふんいきとかからなんとなくかんじていためんもあったし、”生物せいぶつ(みな)一秒一瞬(いちびょういっしゅん)(つね)可能性かのうせい背負せおっている。それが、きるということだ”とちちおしえがありますので、もしもの覚悟かくご多少たしょうしてました。」

死後しご世界せかいわたしうのもなんだがどんなおしえだよ。」

ひと教育きょういく文句(もんく)()わないでください。」


 女性じょせいおれたいする不信感ふしんかんたかまっているがする。まあ、でもここは正直しょうじきこたえておかないとなにされるかわからないしな。

 

「というかならんでたみなさんもれていたじゃないですか。」


 そういえばこえをかけてくれたひとはここがどこで行列ぎょうれつなにかわかっていてならんでいたことをおもし、反論はんろんする。


病気びょうき寿命じゅみょう場合ばあい多少(たしょう)覚悟(かくご)するのに猶予ゆうよがあるし、事故等じこなど突然死とつぜんし場合ばあい走馬燈そうまとうなどにより人生じんせいかえ時間じかんがあるし、普通ふつうはここにるまでのあいだ事前じぜん説明せつめいがある。どうしてんだか、これからのながなどのな。だから(みな)()いているのだよ。」

企業説明会きぎょうせつめいかいかよ。」


おもったが非現実ひげんじつ格好かっこう人達ひちたちかこまれていたため現実的げんじつてき言葉ことばんだ。


「ちゃんとろうな。さて、前例ぜんれいがないのでどうしたものかこまったちゃんだな。」


 一度いちどタガがはずれたのか死語しごがこぼれる。というか。


「そもそもおれって本当ほんとうんだんですか。」

「「「・・・」」」


 空気くうきこおるのをかんじた。あれ、失言しつげんした?


「いや、べつれてないわけじゃないですよ。未練みれん多少たしょうあるかもしれませんが、おしえがあって覚悟かくごしていたのはうそじゃなくてでs,,,」

「そうか、その発想はっそうはなかった。何百年なんびゃくねんんだものとしかやりりしていなかったから固定概念こていがいねんまれてしまっていたな。ぬという表現ひょうげん永眠えいみんがある、だからここにものねむいという思考しこうまれない、ゆえねむらない。しかし、おまえはまだ永眠えいみんしていないとなれば、ねむいという思考しこうてくるのもうなずける。ねむいという思考しこうねむっていないものにしかおとずれない。」


 空気くうきえようと必死ひっし訂正ていせいしているところ気味ぎみ女性じょせい難問なんもんけたようなすっきりとしたかおこえしていた。


「このものきていると仮定かていするならば、通常つうじょう手順てじゅんでここになかったことや帳簿ちょうぼにもっていなかったことにも合点がてんきます。」


 まわりにいたひとこえしておどろいている説明せつめいありがとうございます。


「だとしたらまずいんじゃないですか。このひと、ここにてからかなりの時間じかんがたってる、はじめての事例じれいですが、きているものがこの世界せかい長居ながいして大丈夫だいじょうぶだとはかんがえにくいですよ。」


 さらにべつひとこえあらあせっている。正直自分しょうじきじぶん状況じょうきょうなにをすればいいかもさっぱりえてこないおれ完全かんぜん他人事ひとごとのようにいていた。


総動員そうどういんでこいつのからださがす。お前達まえたち手伝てつだってくれ。」


 女性じょせい冷静れいせい指示しじし、部下ぶか人達ひとたち次々(つぎつぎ)にいろんなところへってしまった。

 完全に置いてけぼりを食らった俺はその場で呆けていた。


 しばらくして女性じょせいおれかたらしてこえをかけていた。ぼーっとしていたらまたねむってしまっていたらしい。


きろ。からだつかった。いまからおまえをあっちにもどすから。」

「んぁ,,,すみませんまたてました。つかったんですか、ありがとうございます。」

ひとつだけつたえておきたいことがある。」

なんでしょうか。」


 安堵あんどよろこびの微笑ほほえみをしていた女性じょせい一転いってんして、つかれともう面倒めんどうくさいからかかわりたくないを全開ぜんかいして一言ひとこと


「もう二度にど寿命以外じゅみょういがいでここにるな。」


 女性じょせい言葉ことばがスイッチかのようおれ意識いしきはストンとちた。

死んで生き返るというありがちな話ですが、一人でも面白いと思っていただければ幸いです。

なるべく早く更新していきます。

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