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「目先の目標は戦闘手段の確保ね。あとお金の確保。」
(この世界には冒険者ギルドなるものもあるみたいだし何とかなりそうね)
「色々考えても攻撃手段が拳(物理)しかないわね......これじゃ脳筋じゃない。」
長々考えてると一つ思いつく。
「錬金術で地面の物質動かして......えいっ。」
地面に手を触れると緩い掛け声とともに土柱が立つ。
「これいいわね。かなりたのしいわ。」
「ゴッホン。そろそろ町に行かなきゃ日が暮れるわね。」
(無一文だし無宿者だし素直に言った方が楽に入れそうね。)
「『劣・全知存在』検索 一番近い町。ふむふむ、ここから東に行くとあるっぽいね。」
(そこで今後の身の振り方をきめよう。)
道をみつけてそれに沿って進んでいると子供サイズの生き物を発見した。
「『鑑定』ゴブリンねえ。初戦闘にはちょうどいいわね。」
(先手必勝!)
ゴブリンに気が付かれないように近付いてから土を操り圧殺する。
「火力は問題なさそう。心臓の代わりに魔石があるのか。えいっ。」
ゴブリンの胸を抉ると紫色の石が出てくる。
「これが魔石......一応集めときましょう。」
ゴブリンと交戦後、十数分くらい進んでいると高い壁が見えてきた。
「あれかしらね。疲れはそんな感じてないけど一回ベットで寝たいわあ。」
門番のそばに近寄り、話しかける。
「こんにちは、門番さん」
「ああ、こんにちわ。身分証はあるかい?」
(やっぱり身分証いるかあ)
「身分証もお金も持ってません。気が付いたら近くの草原にいたんですよ。」
「そりゃ大変だったな。仮身分証を発行しとくから何かギルドに入っておいで。身分証をもらえるから。」
「ありがとうございます!」
「なくすなよ?よし、通っていいぞ。」
「今日あとやることは[冒険者ギルドで登録、仮身分証の返却、宿を探す]ね。」
寄り道したい衝動を抑えながら冒険者ギルド向かった。