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お兄ちゃんが死んで 、幸せでした。

作者:ななのくに
ここがどこなのか、自分が何者なのか、存在するのかしないのかすら分からない状態で、突如ボディにブローを入れられた。
的確にみぞおちへ右ストレートを放ったのは、腰が曲がった老婆だった。
どこかで修行をしたとしか思えないGのかかった重いパンチだった。

老婆は、自身の生涯における《幸せ》を記したノートを持っていて、それを誇らしげに自慢してくる。
徐々に変わる老婆の様子と、自分の変化にも気付いていた。

彼女が自分に伝えたかったもの。
彼女が生きた理由。
自分はなぜ自殺したのか。
それは彼女も知らない。
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