第4章 変身
お久しぶりです。久々の投稿です。
「それで、何の用で俺を呼んだのだ」
俺は村長に尋ねた。
「お主、覚えておらんのか?」
何の事かは分からないが、記憶喪失の体で話を進める。
「すまないが俺は森で目覚めたときに記憶を無くしてしまったようなんだ」
「そうか…」
「もしかして何かあったのか?」
「覚えておらんなら別に思い出すこともない」
「そうか、分かった」
村長はフリューダについて何か知っているのだろうか…
「丸くなったのぅ…」
「何か言ったか?」
「何もないわい」
アドラ村長が何か言ったような気がしたが俺には聞こえなかった
「すまんの、老人の話に付き合わせて」
「いや、問題ない。それでは明日は早いので帰らせてもらう」
「そうか。では気を付けての」
「お気遣い感謝する」
そう言って俺は村長の家を出てシャスティアの家へと戻る。
「…」
「お帰りなさいフリューダさん!」
「た、ただいま」
「飲みすぎですか?顔色悪いですよ!」
「すまない、今日は直ぐに寝ることにするよ」
「そうですか、分かりました」
ふらふらと歩いて部屋に行く。そして、鎧を脱ぎベッドに体を叩きつけ、うつ伏せの状態で布団を頭まで被りぐっすりと休んだ
「取り敢えず水持ってきたんですが…もう寝てるみたいですね」
そう言ってシャスティアはベッドの横の棚の上に水差しとコップを置く。
「寝てる顔ちょっと見てみようかな…」
布団に手をかけひらりと上げてみたが、うつ伏せになっていたことと暗がりのせいで顔を見ることが出来なかった。
「…いけない。私何を考えてるのかしら」
布団を元に戻しそそくさと部屋から出る。そして、自分の部屋のベッドに潜り私は何もしていないと念じを込めて瞳を閉じた。
「うーん、まだ頭痛いなぁ」
今日は早起きできたみたいだ。やはり、まだ夢の中にいるんだと確認すると、僕は起き上がり、ちょっと伸びをして鏡の前に向かった。
「おいー!」
僕の体が元に戻ってしまっていた。酒か?酒が原因なのか?
そう考えているうちに部屋の外からドタバタと足音が聞こえる。
僕は取り敢えず兜を被った。
「どうしたんですか?」
「い、いや何でもないぞ」
「そうですか。急に大声出すからビックリしました」
「すまない。今日も1日頑張ろうと気合いを入れていたのだ」
「クスッ、変な人」
「というかもう準備は出来たのか?」
「はい。できましたよ。フリューダさんは準備出来てるんですか?」
「僕は出来てるよ」
「僕?」
「あ、いや、俺は出来ている!たまに幼少期の癖が出てしまうのだ」
「そうなんですね」
「すまない。まだ寝惚けているようなのでもう少し一人にさせてくれないか?」
「まぁ昨日ふらふらでしたもんね。分かりました、準備ができたら呼んでください」
「そうするよ」
その会話が終わるとシャスティアは扉を開け、足を進めた。
危なかったー。今の姿だと完全に知らない人が家に居るって事だからな…これからは注意しないと。
「後、兜だけ被ってるのってなんか変ですよ」
僕はビクッとしながらなるべく冷静に、
「そ、そうだな。まだ少し酔っているのかもしれない」
「そうですか。酔っているなら気をつけて下さいね」
「ありがとう。気を付けるよ」
今度こそシャスティアが部屋から出ていったのを確認し兜をとった後、出来心でシャスティアに変身してみたいなと思った。すると、体がみるみる変化していき鏡にシャスティアが現れる。ここで、この夢の中で私は何にでも変身することができるのだと気づいた。
スッ
…あ、付いてない///
ボフンッ
元の姿に戻った。
ハッと我に返りもう一度あの剣士になりたいと思うとフリューダ・イグリシアの姿に戻ることができた。
姿が戻ったので、すぐに準備してシャスティアに準備ができたことを伝えて出発することにした。