プロローグ
午前3時。
僕は眠い目を擦りながら実験に励んでいた。
学会の発表まで残り僅かであるため、最近は徹夜でのまとめ作業が主の最悪のライフスタイルを送っている。
世紀の大発見をしてしまった僕は、この素晴らしき薬"Monology_Melt_Origina 18-16-7"を広めなければならない 。この薬の効果は、視覚情報から受ける感覚を活性化させ脳のあらゆる機能をジャックすることでよりリアルに、更に体で感じる事ができるというものである。謂わばブレインマシンインターフェースの前駆体なのである。そう、皆が夢見ている世界の実現への第1歩なのである。その世界を作り出すためであるのならば、僕はこの程度の睡眠時間など惜しくは無い。そう想い尽力している。少しグレーに見えるかもしれないがこれは人類の発展のためなのだ。やるしかない。今夜、人体で初めての実用実験を行う。
勿論このような怪しげ…未知の薬を試そうなどと言う者は現れなかったため、結局自分が被験者になる。マウスの実験では上手くいったのだから大丈夫だろう。教授も止めておけと言っていたが、早くゲームの世界を体感したいと思った僕は聞く耳を持たず突っ走った。
今回の実験ではより現実性を持たせるために手持ちのコントローラーではなく、数年前開発されたモーションキャプチャとセンサーによる疑似フルダイブシステムを採用する事にした。VRを頭に被り電源を入れる。タイトルロゴが出てスタートのボタンを押す。そして、
薬を飲む。
…完璧である。後は効果が出てくるのを待つだけだ。
パチッ
急に体が軽くなり宙に浮いたような感覚を受ける。そして、飛ばされるかのような感覚と共に異空間のトンネルとでも言わんばかりの空間に放り出される。暫くすると眩い光に包まれ、僕は広い森の中に立っていた。
初めまして碧天です。
今回はTRANSFORM KNIGHTなどという超ありきたりなタイトルの小説を手に取っていただきありがとうございます。
中二心満載の設定を幾つかご用意しておりますので、閲覧する際は脳ミソ空っぽにして読むことをおすすめします。
ではさらば。