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作者: 在原 功

息苦しいと思う。それは甘えであり傲慢であるらしい。世間では。

生きづらい、とはよく言ったものだ。息、辛い。なるほど、こう表現した人は大層センスのある人間だったのだろう。


まぁ、こうして所謂生きやすい世界に生きている私達の「生きづらい」なんて弱いものなんだけれども。ひとつ叶えばもう一つというのが人間の性でもあって。それでもふいに、ああ、苦しいなと思ってしまうものだからどうしようもないのです。


一つだけ、聞いてもらえませんかね。何かのために生きている、きっとその為なんだけど、それが分からなく生きている。そうして生きていると、何が目的かが、欲しくなって来る。次第に目的なんかなかったんじゃないか、全部妄想だったんじゃないかと思えて来る。仕方ない。だって何の為かなんて元々ないんだから。あったとしても神様だけが知るべきこと。私達の定めなんて、私達が言うだけお笑い草だってこと。

そんなこと言ったって、諦めてたって諦められないんですよね。そうだ、運命的な物なんか誰だって信じたい。私だって君だってあの子だってそりゃそうだ。

だから私達はそいつに意味をつける。私達のいう運命が、定めが、目的が。本物なんだって言い張れるような。

そうして叫びたい。生きていたい、息をして。思い切り息をして。それは形だけじゃなくて。こころまで、届くように、容器いっぱいにして。

テンプレみたいな幸せで、そいつの中で快哉を叫ぶ。


いくらだって人は言う。

それは無理だ。

もっと違う方向のほうがいい。

向いてない。

おかしい。


そうして普通でいいんだ、と。


でも普通って。こんな不確かな言葉、他にあってたまるか。


普通じゃないのを目指すのは、結局、究極の普通でしょう。


夢なんて無いさ。だって目的がないんだから。何のために生まれたのって。分かってりゃ勇者にだってなってやるよ。何がしたいの、どこに行きたいの、どう生きたいの、そんなもんなんか知るか。


勉強しなさい

孝行しなさい

笑っていなさい

憧れなさい


独りよがりの親切心に、抗いたいのは普通でしょう。


「普通の子の方が良かった」


ざまあみろ、これが普通だ、悪かったな。


共感して欲しい、否定はされたくないし、もちろん、愛されたならばそれは幸せだ。


望みはしない、いや、やっぱり望む。臨ませてくれ。

夢見た世界を。昔に!遠い昔に確かに見たあの夢の世界で。そういう世界で夢を見たい。


誰にも言わないなら吐き出すなって話ですか。

すみません、でも謝りたくはない。

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