10/10
10
草原は
いつまで続くのか
草原は
どこまで続くのか
地平線の先は
どうなっているのか
藤井目は凝らしてその先を見つめている
「いったい街はどこにあるのですか?」
「そろそろだから」
動くのをやめた根岸は
空中をノックした。
何もない空間から扉が現れた。
「さあ、この扉の向こう側に
僕の住んでいた街があるよ」
藤井が見た光景は
これまで見た事も
聞いたことも
【ない】
世界だった……
「しばらく見ない間に、街並みが随分と変わったなぁ♪」
藤井は困惑している。はぐれないように根岸の肩にがしっと捕まる。
「はぐれても大丈夫だから。
直ぐに見つけて....あげるから」
根岸は言いながら
藤井の手を振り払い
前に進んで行く
藤井はその後ろを追っていく