太陽
疲れていた。苦しかった。
嫌われて逃げて、その先で嫌われて。
だから、学校なんて休んだ。
庭に出て日向ぼっこをした。
家族に相談を聞いてもらった。
とても楽になったんだ。
でも、心に引っ掛かるものがあった。
それは、がんばれば学校に行けたということ。確かに疲れていたかもしれないけど、行こうと思えば行けたかもしれない。そう思うと自分が小さく見えて仕方なくなる。みんなを騙したようで申し訳なくなる。
夕方。
元気がすこし出てきたから電車で塾へ向かった。学校や勉強に関わることはまだ怖いけど、自分のためだと思って勇気を出して行った。
そこでみた光景は二度と忘れない。
イヤホンから聞こえるあの人のエールとともに見た太陽。オレンジ色のきれいな夕焼けを残して沈んでしまう。
けれど、太陽はまたのぼってくる。新たな思いで。
その時、沈んだままは嫌だと思えた。未来に暖かさを感じた。
何度でも沈んで、何度でものぼり、真っ赤に燃え上がる。
太陽になろう。




