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Lv.0でニューゲーム(仮)  作者: 槻白倫
第一章 レベルゼロ
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000 プロローグ

 レベル。それは、RPGなどのゲームで使われる強さを表す単位、とでも言っておこうか。その方が分かりやすくて至ってシンプルだ。


 レベルは高ければ高いほど強さが上がる。強くなれば、今まで勝てなかった敵をも圧倒できる。それが達成感や爽快感をプレイヤーに与える。


 時には友人と協力し狩りに。時には友人と力比べをするために対戦をしたり。時には見ず知らずの人とネットを介して冒険へ。


 ディスプレイを隔てた向こうの世界は、こっちの世界に夢と希望と満足感を与えてくれる。


 危険は無く、傷つくことも無い。


 そう。ゲームをするのにリスクなど無い。


 いや、それでは語弊があるだろう。


 確かに、金銭的な事や時間的な事、友人関係など自分や周囲の環境を変えてしまうと言う点ではリスクを伴うであろう。上げていけばきりがないほど上がってくる。


 だがそれでも、命までは取られない。


 どれだけゲームで友人との関係をずたボロにしようとも、どれだけお金をつぎ込もうとも、どれだけ時間を費やそうとも、ゲームは等しくプレイヤーの命を奪うことはない。


 いや、これでも語弊があるか。


 ゲームを切欠に起きた殺傷や暴力は往々にしてあり得る。その点ではゲームが命を奪うことはあるだろう。


 だが、ゲーム自体が人の命を刈り取ることはない。


 いくら自分の操作しているキャラクターのHPが0になろうとも、いくら自分が操作しているキャラクターの残機が0になろうとも、ゲームをしている自分が死ぬ事なんて無い。


 ゲームはゲーム。リアルはリアル。ゲームとリアルの間にある壁は向こうからもこっちからも越えることは出来ない。


 不干渉。


 それがゲームなのだ。


 そう。ゲームは不干渉のままでよかった。


 だが、ある日世界はひっくり返った。


 いや、ひっくり返った訳では無いのだろう。その証拠に、今も僕は変わらずの日常を送っている。


 混じった、と表現するべきだろうか。


 そう、ある日世界はゲームと混じった。


 この世界はゲームになった。


 現実がゲームでゲームが現実。もうフィクションでは無いのだ。


 歓喜、混乱、絶望、悲観、楽観、様々な感情が入り乱れた今日。この世界はゲームになった。


『さあ!!この世界を!!楽しんでくれたまえ!!』


 男とも女ともつかない謎の声が世界の空に響きわたる。


 ああ、ゲームとリアルを隔てた壁がなくなった。   

 


 

 






 

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