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ギャルゲー乙女ゲー観察日記  作者: 蛇真谷 駿一


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 ××××年 十月二日


 どうも星海さんが昨日同様何かに悩んでいる(俺のせいのような気もするが気にしない)。


 それ以外は朝から本当に大した出来事もなく(どちらとも教室を出ることはなかった)、放課後になった。



 その後部室に向かう途中、蒼月先輩と出くわした。


 俺が持っている鍵をとりに来たのかと思ったが、違った。


「図書室に行くつもりだ」

 だそうだ。



 部室の前に着くと既に部員が全員待っていた。


 遅くなったことを詫び、部室に入ろうとしたが、瀬戸さんが俺を呼びとめ、

「あ……すみません、私今日は図書室に行こうかと思います」

 と言ってきた。


 どうやらわざわざ俺にそれを言うために待っていたらしい。

 変なところで律儀だ。


「別にわざわざ言いに来なくても大丈夫だよ。部室に来るよう強制しているわけじゃないしね。後、図書室に行くなら蒼月先輩もいるみたいだから、何かあれば蒼月先輩に聞いておくれ。……答えてくれるかは置いといて」


「あはは…………わかりました」


 そう言って、瀬戸さんは部室を後にした。


 その後は、藤原さんと玉井君と、雑談して終わった。

 今日はなんか、漫画に出てくる文芸部のように、ダラダラして過ごした気がする。


 何もない平和な日……うむ、悪くない。





 …………なにも観察してないけど、ね。




 そういえば、蒼月先輩は何故三階の図書室に行くのに、二階の二年教室付近を通っていたんだろうか……。



 まあ……いいか。




 ××××年 十月三日


 今日も星海さんは何やら考え込んでいる様子。

 昨日も一日そうだったが……さすがにちょっと考えすぎじゃないだろうか(笑)


 来週の頭には元に戻っていると信じたい。


 緋山の方はクラスメートや友達と話しているときも、時折星海さんの事を気にしていた。

 何かに悩んでいる様子の星海さんが気になるようだ。



 しかし、一体何きっかけで星海さんの事が気になったのだろう。


 しかも妹さんの印象から行くと大本命が星海さんだ。

 ちょっと前まで春風さんだと思ってたのに。



 聞いてみたい気がするが、学校では聞くのは厳しいだろう。


 とか思っているとき、


「し、失礼します」

「失礼しまーす」


 聞き覚えのある二つの声が聞こえた。


 瀬戸さんと妹さんだ。

「あ、友達さん。んー残念ながら今日は友達さんに会いに来たわけじゃないんです」

「えと、部長すみません」


 どうやら緋山に用事のようだ。



 軽く聞き耳を立ててみた。(観察日記を始めたころから考えると、随分板についたものだ)


「お兄ちゃん。突然だけど、明日結衣ちゃんちにお泊りするから!」

「!? 突然だな!?」


「緋山先輩すみません、唐突で」

「いや、瀬戸さんが謝ることじゃないけど」


「つまり認めてくれるということだね。ありがと。ちなみにお母さんもお父さんも明日から小旅行に行くって言ってたから一人だよ。ヤッタネ!」

「はぁ!? 聞いてないけど!」


「言ってないからね! 伝えるように言われてたけど、忘れちゃってた! てへぺろ! じゃねー」

「は、おい待て!」


「一人だからって女の子連れ込んじゃだめだよー!」

「お前大声で何言ってんの!?」


 そう言って二人は去って行った。


 幸い緋山の他にはたまたま俺と春風さんという、妹さんにとっては顔見知りしかこの場にいなかったが(恐らくそれを見越してのあほらしい発言と思われる)、残された緋山は口元をひくひくさせてた。



 そういえば緋山は料理がからっきし。


 お金がなくて準備もしてなきゃ……。


 うーん、哀れなり。




 ま、どうせ夕方ごろに誰か彼か差し入れに来るんだろう(春風さんあたり)






 しかし……そうか、明日緋山一人か。




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