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ギャルゲー乙女ゲー観察日記  作者: 蛇真谷 駿一


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 ××××年 九月二十九日


 登校早々東野に拉致られた。


 落ち着かせて話を聞いてみると、やはりと言うべきか二十六日の事だった。

 東野自身も緋山に聞いたらしいが、慌ててはぐらかされたらしい。


 それで、何故か俺に相談しようと思ったらしい。何故か。(大事なことなので二回記す)


 とはいえ、誰が誰を好きになろうが自由なので、そこは俺が言うことは何もないわけだ。


 そう、東野に理論立てて伝える。



 東野も話を聞き、それがわかったのか、教室に戻っていく。

 そして一度振り返り「俺は負けないぞ」とだけ言った。



 いや、俺に言われても。




 それはそれとして、今日のホームルームでは、文化祭準備についてだった。


 もっとも準備自体はもっと前から行っていたわけだが、なんだかんだで部活動の方を優先していた生徒が多かったので、クラス全員そろうことがあまりなかったのだ。


 俺もその口。


 去年は正直一人で文芸部の方を準備するのが忙しすぎて、クラスが何をやったのかはいまいち覚えていなかったが、緋山に聞いてみると、去年がお化け屋敷だったそうだ。



 そして俺もお化けとして役割を果たしていたらしい。


 そういえば暗い教室でゆっくり休んでくれと言われた気もする。


 もしかしたら疲れ果てた俺が休んでいるのを見て、お化け扱いしたのかもしれない。



 随分と勝手なことをしてくれる……と思ったが、準備もあまり手伝ってなかったので、それくらいは許すことにした。



 今年はコスプレ喫茶店だそうだ。


 こう……マンガとかならベタな出し物扱いだが、昔(前世)で考えるとほとんどありえない出し物だな……。


 とりあえず今年は文芸部も余裕をもって作業をしているため、後は各部署との細かい打ち合わせを残すのみ。


 ちゃんと教室を手伝えそうである。




 ……裏方(料理作る側)としてな!




 ホームルームも終わり、とりあえず部室に行こうかと考えていると、生徒会長が二人とも教室に顔を出した。

 どうやら細かい書類の関係らしい(じゃあどっちか一人でいいとは思ったが、何やら個人的な用もあるようだったので仕方ないだろう)。


 担任の先生と一通り話した後は、やはりと言うべきか天野先輩は星海さんの所に話しかけに行っていた。

 チラリと横目で見ると、東野は何やら眉間にしわを寄せている様子だった。


 もしかしたら前に東野が天野先輩に相談(恋愛相談だと思われる)したことで、多少二人の関係に問題が出来てしまったのかもしれない。


 それに加えてちょっと前の緋山と星海さんが一緒に登校事件(笑)があったばかりだ。



 東野が不機嫌になるのは無理もないだろう。




 それともう一人、桐野先輩はてっきり緋山と話しに行くのかと思ったが、なにやら春風さんと話していた。




 春風さんはクラス委員長でもあることだし、文化祭の話の続きを話しているのかもしれない。



 どちらも真面目だなぁ。




 まあその後桐野先輩は緋山と、何故か星海さんとも話してたけど。




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