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××××年 九月二十四日
うーむ、ここ最近動きがあるように見えない。
星海さんが動かないのはいつも通りだが、気が付けば緋山も最近は教室内で友達と話していることの方が多くなった。
……まさか緋山、飽きてしまったのだろうか……いや、そんな人間ではない。
要観察である。
あ、今週から蒼月先輩が戻ってきた。
今日も部室の鍵もちの俺を部室の前で待っていた。
「遅い」
「すみませんでした。……蒼月先輩も鍵持ちます?」
「面倒くさい」
「ですよね」
今日の所は変わった様子は見られなかったが、こちらもこちらで、要観察っと。
××××年 九月二十五日
今日も今日とて二人とも特に動きなしだった。
今日のお昼は久しぶりに藤原さんと四葉さん、そして何故か保険医の先生と一緒だった。
――ちなみに久しぶりの理由は、四葉さんが中々学校にいなかったため。(藤原さんとは結構一緒に食べていた)
ちなみに四葉さんと先生の会話はこれだ。
「今日は先生もご一緒ですね。どうされたのです?」
「いいだろうたまには。私はいつも一人さみしく食べてるわけだし」
「まあ、お友達いらっしゃらないんですね」
「うるせぇ!!」
藤原さんと共に大いに笑わせてもらった。
××××年 九月二十六日
今日も特に動きなし……と書くことになるのかなと思ってた。
だけど、特にうごっ――!? ……ってなった。
緊急事態だった。
なんと緋山と星海さんが一緒に登校してきたのだ。
今までそんなそぶりあったか? ……なかった……と思う。
これには東野や春風さんがポカンとした顔になってた。
それはそうだろう。
確かにここ最近は緋山、東野と星海さん、春風さんが一緒に話すことは増えてたが、どちらかと言えば、緋山、春風と東野、星海のペアで会話しているように見えたからだ。
東野は、勢いよく緋山を連れていくと言うらしくない行動をとり、春風さんはさりげなく星海さんに探りを入れている。
……最近緋山と話すとき本当に楽しそうにしてたからなんとなく察してたが、やはり既に春風さんは緋山が好きなんだなぁと思った。
その後は特に何事もなく一日が過ぎて行った。
俺も聞きたいは聞きたいのだが、タイミングが合わず、緋山には近づけず、東野は東野で考え込んでいる様子。
……まあ、今日はこの状況を観察するだけでも結構面白いと思う。
うーん、しかしやっばいな。
何という……何という俺の観察力不足!
ずっと観察していたのにこのざまとか……。
うん、気を取り直そう。
そんなことで気落ちしている場合じゃない。
予想外に最高潮面白くなってきたわけだから!!
明日、それとなく聞いてみよう。
……あ、駄目だ。明日休みだ。




