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ギャルゲー乙女ゲー観察日記  作者: 蛇真谷 駿一


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 ××××年 一月一日


 あけましておめでとうございます。


 ……と、なんとなく新年のあいさつを日記に書いてしまう俺。


 まあ、こういう事もある。

 めでてぇっと、いう事で!


 年賀状は東野と桐野先輩と天野先輩から来てた。


 他の知り合いはみんなメールで来てたのに、さすがだなぁと思った。

 と言っても、自分が年賀状を送るのに、知り合いに住所を聞いてまわったから、気を使ってくれたんだとは思うけど。



 とりあえず徹夜して眠いからもう寝る。




 ××××年 四月一日


 今日で、あの入学式の衝撃から一年。


 色々あった……気もする。



 ちなみに今日も色々あった。




 一番大きな出来事は、実は『キミだケに』のキャラ全員に突然の告白を受けた!




 …………嘘だ。


 エイプリルフールだ。



 本当は、書くことが何もないほど暇な一日だった。



 も、寝る。




 ××××年 四月二日


 とうとう来たぞ。高校二年の始業式。

 ドキドキしながら自分のクラスを確認する。


 運任せではあるが、これが一番重要だ。


 ――……自分の名前を見つけ…………そして、緋山遥人の名前も見つける……同じく東野英司の名前も見つける。

 二人とも同じクラスだった!

 ――よし! と思った。


「おーし、今年もよろしくな!」

「ふ、君以外に話の分かるやつが少ないので助かった」

 と、緋山と東野も喜んでくれた。


 とは言え、俺は人としてどうかと思うが、二人とは別な理由で喜んでもいる。


 ――つまりこれで、どちらの主人公も観察できるということだ。

 と。


 実は『キメわん』の主人公である『星海光』は、東野のいるクラスに転校してくる設定なのだ。

 なので、東野と緋山が一緒のクラスだということは、そのクラスに主人公二人がそろう可能性が増えるということなのだ(実際に転校してくるという保証はないため)。


 そして、緋山が一緒と言うことは、

「遥人ー、今年は一緒のクラスだね。よろしくね」

 そう、つまり春風美鈴も同じクラスなのだ。


「お、おー」

 と、緋山が返す。

 ――もっと気の利いた返しがあるだろう。

 そう言いたかった。


 こういう感じだと、ほんとに緋山が転生者なのか不安になることがある。

 今までの観察からして、ほぼ間違いないと思うんだが。


 すると小さな声で緋山が言う。

「くそぉ、また緊張で何も言えなかった。……大丈夫、俺は夏休み終わりから本気出す」

 ……俺は間違ってないっぽい。記憶はあいまいだが、夏休み終わりは、こんなアホっぽい決意の仕方じゃなかった。



 確かゲームでの春風美鈴は、幼いころから主人公の事が好きだったはず。


 それで高校一年の時初めてクラスが別になり、離れてから改めてその思いが強くなるが、それを自分から言い出す勇気はなく、結局今まで通りの幼馴染としての自分を演じ続ける設定だったと思う。

で、攻略していくうちに演技がとれていく設定のはずだが……言ってしまえば、それはもう最初から落ちているようなもので、作中もっとも攻略が簡単なキャラだったというのを覚えてる。


 それなのにこの有様とは、緋山……ホントに大丈夫かな?


 他のキャラたち、四葉さんと宮倉くんと奥仲さんは別のクラスだった。

 藤原さんは違うクラスだったが、四葉さんと同じクラスになれたとメールが来た。


 ――……四葉さんははたしてどのくらいの頻度で教室に来るんだろう?

 残念ながら幽霊部員は今年も同じクラスだった。


 

 ……んー、幽霊部員と言えば、緋山も四葉さんを見に教室へ(・・・)行ったんだったっけ。

 そんで今日も春風さんと緊張しながら話してた。(もしかしたら春風さんが本命?)


 ……もしかして、ゲームの設定は知っているけど、やったことない……とか?


 …………その可能性も踏まえて、観察していこうと思った。




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