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キッカケ

目の前にあるデータをひたすら入力する

同じ作業をしてると割と無心になれる。


色々考えはまとまらないしモヤモヤしてるけど仕事中はとにかく集中してミス無く!

生活費かかってるし…


カイドウさんに早く連絡しなきゃいけないのに返答出来ずにいる…

もう他の誰かに決めたかもな…いつまでもグズグズしてる奴なんて見限られる



バイトが終わって帰宅中、リュウから電話

「あ、ソウヘイ?今時間ある〜?」


「今バイトから帰ってる所、次のバイトの時間までなら大丈夫だけど」


「良かった〜!家で料理作り過ぎたから今から持ってくわ!」

「お〜了解。ありがとう」


リュウはたまに作った惣菜とかタッパーに詰めて持って来てくれる。店でも試作品食べたりしてるけど俺の偏った食生活を気にしてくれてるのか?ありがたいに尽きる。



ピンポ〜〜ン!

チャイムが鳴る


「お〜〜す!おじゃましま〜す♫」


上京してから家にあげるのはリュウしか居ない。

バイトは色々してるけど、中々友達は出来ない


リュウは初めて会った時から俺の人見知りガードをもろともしない明るい陽キャラな奴だったから(ウザさも多少)

なんだかんだ今に繋がってる


「今日は色々あるよ〜!野菜モリモリサラダ、鶏肉のソテー、魚の南蛮漬け♫」


「お〜!美味そう〜!」

「キッチン借りるね〜」

手際よく皿に盛り付けるリュウ



「なんか電話した時元気無かったけど大丈夫?夏バテでもした?」


「いや…体は元気だけど…」

「けど?何、」



「…色々迷走中、歌手 向いてないかもって…自分でもよく分からなくなってる」


チーン!電子レンジの音「あ!温まった!」

おーい、話振っといて…こいつ


料理をテーブルに置きながら

「詰まる所、自信無くしたって感じ?」


「うん…そうだね」


「ソウヘイが弱音言うなんて相当だね、滅多に言わないし。そうゆう姿見せないし」


「人に話すの苦手だし…あんまり言いたくないから…」


小皿を渡しながら

「とりあえず食べよ!冷めないうちに!」

「うん」


料理を一口食べる

「美味!!めっちゃ美味いなコレ!」


「良かった〜!!結構上手く出来たんだよ」


「鶏肉柔らかいし味付けも甘辛くて最高じゃん!」

「でしょ〜?他のも美味いから食べてみてよ!」


リュウはどんどん腕あげてるな。本当スゲェ



「ソウヘイと初めてバイトで会った時さぁ、俺別に夢も目標も何も無いし毎日フラフラしてて、歌手になりたいって地方から出てきたソウヘイが眩しく見えたよ。なりたいものが明確でさ」


「いや別にそんな大層なもんじゃないし…」


「仲良くなりたいと思って色々俺の愚痴話したり、面倒臭がりながらなんだかんだ聞いてくれてたよね?懐かしいな〜」


てか…めっちゃしつこかったんだよコイツ

彼女に振られたから聞いてくれとか、しょーもない事ちくいち付いてきて話すから…諦めたんだよ


「そんである日、ソウヘイが日に日にどんどん痩せてくから心配になってなかば強引に自宅に俺が料理作りに行ったんだよな」


あぁ…そうだった、懐かしいな


「上京して環境の変化とか色々あって疲れてたんだよ。ご飯なんて後回しだったし…」


家にあげるの嫌だったけど、その時もしつこくて押しに負けたんだった…


「料理は趣味程度に作るくらいだったけどさ、あまりにソウヘイが疲弊してるから、これは食べさせないとヤバイと思ったんだよ」


「その時初めて人に料理作ったんだけど、ソウヘイが食べた瞬間凄い喜んでくれてさ、スゲェな美味いよ!!って言ってくれて。今までこんなソウヘイのテンション高い表情見た事なかったから驚いたし嬉しかったんだよね」


「確かにあれは衝撃だったなぁ、チャチャっと作ってたけど凄い美味かったし、人の手料理なんて久々に食べたから感動したわ」


「それで俺、こんな風に誰かを喜ばせたい。幸せにしたいって思うようになった。料理作る人になろうって思ったキッカケがそのソウヘイに料理作った日だから!」


「え!?そうなの!?初めて聞いた」


ケタケタ笑いながらリュウが

「俺も初めて言った。なんにも無かった俺にもなりたい目標が出来たキッカケだったんだよ。ソウヘイが」


「いや別に俺何もしてないし大げさだよ…」


「キッカケなんて人それぞれでしょ?大小は関係ないし!俺は感謝してるよ!」



そうだったのか…いきなり料理人になるって言って修行しに行くって聞いた時は驚いたけど…

ふとした瞬間に人生どんな舵きるか分からないもんだな…

そんな大事な瞬間に俺でもキッカケの1つになれたのか…


「そういえば、カラオケで初めてソウヘイの歌聞いた時は感動したなぁ〜」


その時もなかば無理くりカラオケ行ったんだよな…

めっちゃ色々リクエストされて歌って…

リュウが盛り上げて褒めて…思い返せば楽しい時間だったな


「まぁ、色々悩んでるみたいだけど、どんな道を選んでも俺はソウヘイの事応援してるからさ!また店にも遊びに来てよ!」


リュウのカラッとした明るさにはいつも救われるし、羨ましい


「うん、ありがとう料理も美味しかった」




カレンダーを見るともう8月も明日で終わり。


ハルのライブの日だ。





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