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夏の日の出会い

なにも分かってなかったんだ


自分のこともキミのことも

6月始めなのに、もう暑い

ギターを背負う背中に熱がこもる


今日もたいして人が立ち止まらない路上ライブに向かう

多いときでも4〜5人。1分も聞いてくれたら万々歳。大体みんな素通りだ


夕方18時頃から夜まで、週2。出来たら週3で歌ってる

ダボダボのTシャツとスニーカー。いつも変わらない

ダボダボ…いや、語弊がある…ゆったりした服が俺は好きなんだ


歌うのは人のカバー曲が多い、オリジナルもあるけど知ってる曲の方が耳に入りやすい気がするから…


オリジナルと言っても…曲数はさほど多くないし

いまいちパッとしない…自分の自信作になるような物が無いんだ…


今日はいつも以上に人が歌を聴いてくれない

もう夜も遅いし、そろそろ引き上げるか…

重い腰をあげて帰る準備を始める


「綺麗な声ですね」


突然かけられた言葉

ふと見ると、深めの帽子にマスクをつけた女の子が立っていた


「…あ…ありがとうございます」

突然の事で驚きながらも、お礼を言う

路上で歌ってはいるが、俺はあまり社交的なタイプでは無い


「いつもココで歌ってるんですか?」

マスク越しで顔はほぼ見えないが、笑顔だったと思う


「大体決まってる場所をローテションしてます。○○広場とか□□通りとか…」


「そうなんですね! 特に高音が綺麗でした!また聞きにきます」


「…え…あ、ありがとうございます」

褒められる事なんてめっきり無いから挙動不審になってしまった


それがキミと初めて会った日だ


挿絵(By みてみん)





この夏の出会いが

暗くて出口の無いトンネルを

ずっと歩いていた俺に光が差した瞬間だったんだ


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