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ブラームス交響曲第1番 Part1



 東日本大震災のあと、仙台市を中心に宮城県内では極端なガソリン不足がつづき、連日ガソリンスタンドには長い車の行列ができた。 ──宮城県に限らず震災地のほとんどで──

 よって、仙台市近郊で車通勤をしていた人たちのなかから、ロードバイクなどの自転車で通いだす人たちが多く現れた。かくいうオレも新車でTREKのクロスバイクを購入し通いだした。 ──ちょうど早春を迎え爽やかな春風を感じながら走行した── しかし、通い出してからわずか10日ほどで無惨にも交通事故に遭ってしまった。

 後遺症に悩んでいるうちに、しだいに精神面でも不調をきたし心療内科を受診すると、即刻、強迫性障害と診断された。 ──このあたりのことは、拙作の『シーとまれびと』で詳しく書いているが──


 それからオレは、約3年ほど仕事が終わってから毎日、仙台市駅前にある中性的な容姿の男性開業医の心療内科に通院した。その病院は最終受付が夜の21時だったため、仕事帰りのOLなどを中心に非常に混んでおり、受診まで常に2、3時間も待たなければならなかった。しかし、やや薄暗く感じるほど照明がダークな色合いの院内は、洗練されたデザインとともに、趣きのある家具や椅子、インテリアが備わっており、常にBGMとしてクラッシック音楽が流れていた。 ──まさに女性に好まれるようなお洒落な院内──


 オレは長い待機時間中、趣味だった外車や機械式腕時計の雑誌などを眺めながら時間をつぶしていたが、 ──この頃はまったく小説から遠ざかっていた── 否応なしにBGMとして流れているクラッシック音楽を聴きつづけていた。しかしながらその頃はまだ、クラッシック音楽にさほど興味がなかったため、耳にする曲のほとんどが、どんな作曲家の何という曲なのかもわからなかった。

 それでも3年ものあいだ毎日聴いていくうちに、こころに響くというか、こころに残る曲が生まれてきた。もちろん作曲家も曲名もわからなかったが……

 ──Part2へつづく……


 さあ、先ほどまで小雨が降っていたが、愛犬シーズーのシーと朝の散歩に出かけよう。シーは体毛がもふもふなので寒くてもまったく気にしない。オレはマフラーに手袋をし途中で自販機のホットコーヒーを飲むつもり。


 ──シー、散歩だよ!




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