日本の若者のレベル
──動物に対してどのような態度で接しているのか── により、その国の人間のレベルがわかると聴いたことがある。
先日、YouTubeのニュースで、今の日本の若者のレベルの低さがわかる映像が流れていた。
深夜、子育て中のツバメの巣を、原付スクーターに乗った若者5人が棒で突いて破壊し落としたうえ、スマートフォンで写真を撮り逃げたのだ。(防犯カメラの映像による) 落ちた6羽のヒナのうち1羽は死んでしまった。なんとか箱を巣の代わりに設置し、ツバメの子育ては続けられているというが……
5人の若者のうちツバメの巣を破壊することに異議を唱える者が1人もいなかったことからもわかるように、日本の若者のレベルの低さがよくわかった。これでは陰険ないじめがなくならないのも頷ける。
南アフリカの隣国、ボツワナでは、国土の中心部にセントラル・カラハリという動物保護区がある。ここは自然保護を目的に仕切られたエリアとしてはアフリカでも最大級で、その総面積は約5万3千平方キロメートルにも及び日本でいうと九州と四国を足したのと同じくらいの大きさだ。この想像を絶するほど広大な土地では、人の居住や経済活動が一切禁じられており、地平線の彼方まで無人のサバンナが続く中、多くの動物たちが暮らしている。
ボツワナはアフリカの中では政情も安定しているし経済的にも盛んな国であるが、動物に対するその国の考え方や姿勢、態度がよくわかる例だろう。
日本は学歴社会、経済優先でアフリカ諸国に比べてもとても豊かな国である一方、人間としての本当に大切な教育を怠ってきた結果、ツバメの巣を破壊することに何の抵抗もない若者が育ってしまっている。しかもこの若者5人は、ツバメの巣を破壊したあと逃げたのだ。ヒナの命を何とも思っていない。帰った後、スマートフォンで撮影した画像を、彼女に見せながら平気で笑っていたかもしれないのだ。
日本人は表向きだけを重要視したレベルの低い国民となりつつある。
薄明のなか愛犬シーズーのシーと朝の散歩をする。底辺から東の空が赫く染まり宇宙の存在を感じる。この光景を眺めていると、ほんとうに大切なものを感じることができる。オレはシーの頭をそっと撫でた。