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『懐かしい年への手紙』PART4
大江健三郎の長編『懐かしい年への手紙』
第一部 第六章「懐かしい年」を読み終えた。この第六章では、この長編小説のタイトル『懐かしい年への手紙』の意味が、主人公のKちゃんからギー兄さんへの手紙という形で語られる。さらにオレたちが生きていくうえでもっとも大切なことが、星の煌めく意味を語るように散りばめられていた。おそらくオレは、この長編小説を読み終えたとき、もう一度この第六章「懐かしい年」を読み返すのではないかと思った。
この章の最後に、ダンテの『神曲』天国編の三十三曲、山川丙三郎訳が載っていたので記してみる。はたして意味がわかるだろうか?
宛然一様に動く輪の如く、はや愛に廻らさる/日やそのほかのすべての星を動かす愛に。
愛犬シーズーのシーはオレにお尻を向けて熟睡している。もう少ししたら今朝も宇宙の眼差しを感じながら、薄明のなか散歩をしよう。