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『サンタクルスの「広島週間」』読了



 大江健三郎の短編連作集『河馬に噛まれる』の7作目の『サンタクルスの「広島週間』読了。この短編連作集では1番ページ数の少ない短編小説だった。サンタクルスを検索してみるとウィキペディアでは、サンタクルーズという名称でカリフォルニア州中部のサンタクルーズ郡最大の都市となっている。

 「広島週間」に、大江がこのサンタクルーズの大学の講演に呼ばれて滞在した3週間の話しではあるが、若い頃にほんの一瞬お世話になった現在は初老となったかつての看護師との再会がメインストーリーとなっいた。 ──ベトナム戦争で息子を亡くし心が病んだ、今では老婦人となった母親たちを支援する活動をしている──

 「広島週間」ということで、講演で大江は被爆者でもある女流作家の大田洋子の短編小説『ほたる』からの引用もページを割いて紹介し、その短編小説『ほたる』では、原民喜の『鎮魂歌』を魂のことばを読んだとして触れられていた。

 前回のエッセイでも述べたように、オレは『河馬に噛まれる』の連載短編小説を読みすすめながら、多くの大切な啓示を受けとるようであり、いろいろな言葉自体からも新たな喚起を授かりつづけている。レッドウッドの巨樹、SUICIDE、Viola sempervirens、evergreen、原民喜の『鎮魂歌』……

 たとえばレッドウッドを検索してみると、世界一の樹高を誇るセコイアの巨樹のことであった。 ──軽く100メートルは超えている── カルフォルニアの森のなかで空に向かって突き出した超高層ビルのようなレッドウッド! レッドウッドという巨大な樹木がなければ、その根方に小さなスミレやカタバミも生えないが、これらの小さい野花が育たない環境では、気候と土質に敏感なレッドウッドも育ちえないという……

 とにかくこれで短編連作集『河馬に噛まれる』は、残り1作品となった。すべて読了したのちは、またこの短編連作集全体を振りかえって、あらためて感想などを述べてみたいと思う。



 今晩も愛犬シーズーのシーのやすらかな寝息を聴き、日本酒を飲み、YouTubeでガザ地区の報道を観ている。子供たちの叫びのような泣き声が聞こえてきた……




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