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宇宙の誕生に神は不要



 理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士は、著書『ホーキング、宇宙と人間を語る』で、量子力学に重力の理論を組み合わせた最新の研究成果から、偶然の一致に見える現象は「創造主なしで説明は可能」、「宇宙誕生に神は不要」と主張し、宗教界から批判を浴びた。

 以前オレは、ホーキング博士が理論物理学の道へすすんだもっとも根源的な理由として、


 ──この宇宙は、神によってつくられたものなのか? それとも神などは存在せず物理的科学的に誕生したものなのか?


 をつきとめるために、ビックバン等の宇宙のはじまりについて研究をはじめたと聞いたことがあった。そしてホーキング博士は最終的に、 ──創造主たる神によって宇宙はつくられたものではなく、やはり物理的科学的に宇宙は誕生した── という結論に達した。

 神を信じない人間にとって当然といえば当然の結論だろう。しかし、世界中のほとんどの人々は信仰する宗教をもっているため、宇宙は神が創造したものではなく物理的科学的に誕生したという説は受け入れ難いものかもしれない。


 また、カトリック教会の大聖堂などは、なぜあれほどまで立派なものをつくる必要があったのか? 権威と権力の象徴? あるいはその権威を多くの人々へ誇示し影響を与えるため? もしその膨大な建築費用をたくさんのパンに変えたのなら、多くの貧しい人々を救えるはずた、という観点は生まれなかったのか? ──それならば宗教とは一体何なのだろう?── という疑問が生じる。


 そうして宇宙のはじまりが、創造主なしで説明可能なら、宇宙の誕生に神は不要なら、人類をはじめとする生命がこの地球に誕生し繁栄している理由とはなんなのだろうか?


 ホーキング博士は、やがて人類はさまざまな問題から、100年のうちに地球を離れ新たな新天地を求めて宇宙に飛び出さなければならないと語っていた。そうならざる得ない原因をつくったのも間違いなく人間なのだ。

 もし神が本当に存在するのなら、人類が地球を離れる前にキリストが降臨し救ってくれるはずではないか?


 ガザ地区の数千人の子供たちが死んでいく現状も宗教とは無縁ではない。宇宙は神によってつくられたものではなく物理的科学的に誕生した事実として、ガザ地区の子供たちを救ってくれない。子供たちが神様に祈っても救ってくれない。なぜなら神は人間が想像した偶像であるのだから……


 今晩もエアコンで温められた部屋で日本酒を飲みながら、愛犬シーズーのシーの寝息を聴いている。むしろオレは、このほんとうに小さなひとつの無垢な生命に神の存在を感じるのだ。




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