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シーと自発的な創造  作者: ユッキー


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ヤマガミテツヤ その4



 山上徹也被告の伯父が、事件が起きた背景について詳細に語った前半のインタビュー記事について、続けて記して行こう。



 《徹也さんの兄も病気だったと報じられていますが?》


 ──長男は生まれてすぐにリンパ腫が判明し、あごが次第に膨らんできたため、抗がん剤治療を受けたが、その副作用で片目を失明した。

 小学生の頃にはリンパ腫が脳に転移し、頭蓋骨を開く手術をしている。5時間にわたる大手術で輸血が必要だったから、私も血液を提供した──



 山上徹也被告の母親は、夫が自殺した翌年の1985年2月に徹也被告の妹となる長女を出産した。徹也被告は、重病を抱える兄と、自分が父親代わりとなって面倒をみる妹に挟まれ、3人兄弟の次男として育った。

 そして山上被告の一家を見かねた伯父は、妹が生まれた2カ月後(1985年4月)から毎月5万円ほどの生活援助金を送っていた。



 ──1994年、うちの近所に住んでいたおふくろは、孫たち(徹也たち)をえらく可愛がっていて、しょっちゅう3人を呼び出しては食事したり、小遣いを与えたりしていた。

 ある時、おふくろがいつものように孫たちと会っている時、孫たちの母親が統一教会に献金していることを耳にした。

 後から詳細がわかるのだが、1991年に入信していた徹也の母親は、夫の生命保険6000万円のうち2000万円、3000万円を次々に一括で献金してしまっていた。おふくろが孫たちから聞いたのは、生命保険最後の1000万円を献金した直後のことだった。


 驚いたおふくろがうちの家内に伝え、私の知るところとなった。家内は1994年8月当時、手帳に「統一教会、発覚」というメモを記している。徹也が中学2年生の時だった。発覚したことで、仕送りはいったん止めることにした──



  1998年、建設会社の社長をしていた徹也の祖父が亡くなる。それまでは祖父の役員報酬が徹也たち家族の生活を支えていたが、それが途絶えてしまった。



 《それでも山上被告の母親は統一教会への献金を続けていた?》


 ──そう。私は徹也の母親に「統一教会にいくら献金したんだ」と何度も尋ねた。しかし彼女は、事件後の検事調べの自白に至るまでこの質問には一切答えていない──



 《祖父の死後、さらに山上被告の母親は信仰にのめり込む?》


 ──常識で考えたって無駄だよ。そういう人間じゃなくなっているんだから──



 山上被告の母親は、夫の生命保険を献金してしまっただけでなく、1998年には父親名義の土地を父親に断りもなく売却して献金してしまっている。



 ──徹也はTwitterに「祖父が包丁を持ちだした」と書いていたようだが、あれは父親が娘に「統一教会を脱会しろ!」と怒り狂っていた時のことなんだ。その祖父もその2カ月後に他界してしまったんだが──



 ──身内の不幸を背に、徹也の母親はさらに信仰にのめり込んでしまい、1991年には自分や子どもたち3人が暮らしていた家まで売却してしまった。これはひどかった!

 徹也たち家族は家を失い、その後は借家を転々とする生活を送ることになったんだ──


 そして徹也の母親は、2002年ついにに自己破産する。



次回その5につづく。



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