『ツァラトゥストラはこう言った』その1
ニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』岩波文庫(氷上英廣訳)を読みはじめた。
どの翻訳で読むか、いくぶん迷った。オレが「ツァラトゥストラ」を読みたいと思ったきっかけは、YouTubeで紹介されていた「汝、偉大なる天体よ、もし汝の光を浴びるものがいないとしたら、汝の幸福とは何であろうか!」という太陽への問いかけ、その宇宙的な言葉に魅了されてしまったからだ。YouTubeでは引用した翻訳本のタイトルが『ツァラトゥストラはこう語った』と表記されていたため調べてみると、このタイトルの翻訳本は、白水社のニーチェ全集の薗田宗人訳らしかった。そこでオレは、いくつかある文庫本の翻訳の中で、冒頭のこの太陽への問いかけの箇所を読み比べてみることにし、いちばんしっくりきた岩波文庫を選んだのだ。氷上英廣訳はこう記してあった。
──偉大なる天体よ! もしあなたの光を浴びる者たちがいなかったら、あなたははたして幸福といえるだろうか!
またこの岩波文庫(氷上英廣訳)は他の翻訳と違い、まったく注釈がない。そのまま読んでほしいとの訳者の希望だが、オレも注釈にわずさわれることなく、そのまま読んだ方がよいと思った。 ──理解できなくともとにかく読む── しかもひと区切りというか、ひとつの章が1〜3ページほどなので、毎日、ひとつの章ずつ焦らずゆっくりと読みすすめてゆくには都合がいいと思った。
なにより『ツァラトゥストラはこう言った』は、哲学書というよりも小説や神話のような文体であるから読みやすそうだ。 ──ニーチェの「神の死」「超人」そして「永劫回帰」の思想を散文的な文体で論じている── はたして何を感じることができるのか? ──そういえばニーチェはドストエフスキーと同世代だ── またこのエッセイでその都度、記していけたらと思っている。
愛犬シーズーのシー