表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
154/267

『同時代ゲーム』総括



 『同時代ゲーム』を読了できたとして、この稀有な長編小説を、あたかも自己同一化するように共感できる人間は稀であろう。少なくても基準以上の教養と思慮を備えていなければ、この物語の根柢(こんてい)に流れる作者の思いには到達できない、と感じた。 ──神秘主義的なところもある──

 今回、20代前半に最初に読了した当時、オレがこの小説をまったく理解できていなかったにも関わらず得意になっていたことが明白となった。頻繁に出現する難解な漢字や言葉を、辞書で確認することなしに読みすすめたのだから、表層を撫でただけであったのは間違いない。 ──ある程度の人生経験も必要──

 また単純に、この長編小説は好き嫌いが大きく分かれる小説でもあるだろう。自己保身の思いが強い人間には、受け入れがたいものにもなろう。よって万人に勧められるものではなく、辞書を片手にある程度の覚悟をもって、ページを(めく)る必要がある。

 ふたたびオレが『同時代ゲーム』を読了して胸に去来したことをひとことで言うと、()()()()であった。どんなかなしさだったかは、オレがこれから描いていく小説で表現できたらと思っている。

 具体性のない総括になってしまったが、具体的に記すのが(はばか)られてしまうのだ。しかしながら、オレにとって、自己同一化できたほんとうに大切な読書体験だった。『同時代ゲーム』は、これからのオレの人生の指針となるだろう。



 さあ今朝も愛犬シーズーのシーと散歩に出かけよう。薄明のなか底辺から色づく東の空をシーと一緒に眺めよう。あらためて『同時代ゲーム』を読了できた感動を胸に……


 ──シー、夜明けだよ!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ