『同時代ゲーム』impression2
『同時代ゲーム』の「第二の手紙 犬ほどの大きさのもの」を読み終えた。今回も詳細な内容には触れないが、やはり想像を超える展開が続いている。
『同時代ゲーム』は、海に向かって追放された武士の集団が、四国の山奥に村=国家=小宇宙を創建した、その神話と歴史を書く者として父=神主からスパルタ教育を受けた主人公の僕が、ようやく双子の妹あてに手紙として書いたものだ。
「第二の手紙 犬ほどの大きさのもの」は、その創建者を統率した壊す人を中心とした創建時からの神話と歴史を中心に語られている。壊す人、アポ爺、ペリ爺、オシコメ、シリメなどユニークな人物も登場し、非現実的な内容もあるが、神話と歴史として違和感はない。
ただこの「第二の手紙 犬ほどの大きさのもの」は、村=国家=小宇宙の神話と歴史がずっと語られるため、歴史書を読んでいる感覚にも陥り、少なくない読者がこの章で挫折しているのではないかとの印象も受けた。
相変わらず見慣れない漢字も多く、辞書代わりのiPhoneで頻繁に検索しながら読みすすめた。
蒐集、堰堤、天蓋、階梯、杣山、意気沮喪、大岩塊、瘴気、拮抗、沛然、朦々、罪障感、懊悩、空隙、逼迫、残滓、瘡、動顚、代赭、俯瞰、褌、魁夷、螯、堆い、盂蘭盆会、莢、厨子、邯鄲の夢枕、腮、框、嘲弄、静臥、根柢、狂躁、蠢動、危殆、上臈女房、醜女、経綸、木蝋、事蹟、羅紗、顛倒、咆哮、怨嗟、俎板、狭蠅なす、請じ入れ、殪す、斃す、嚥む、芒原、大簗
どうだろう、辞書なしで読めるだろうか? オレは読み方だけでなく意味も知りたいため、頻繁にググったけれど……
また雪が積もった。今朝も冷え込むなか愛犬シーズーのシーと散歩に出かけよう。真っ白な雪のうえにシーの足跡が刻まれる。
──シー、散歩だよ!