表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
146/267

『晩年様式集』その3 「サンチョ・パンサの灰毛驢馬」 Part4



 そうしてついに、アカリと真木の四国行きのプランは実現した。あのサンチョ・パンサと灰色驢馬の絵を懐かしい額縁に入ったかたちで受け取り、しみじみそれに眺めいったアカリは、()の雄弁を取り戻したという。


 ──これは空から降りて来たアグイーを、僕が迎えている絵なんですよ! この前は、音楽室の広い方の窓の向うにアグイーが迎えに来たのを見て、こちらも上って行こうとしたのに、BSテレビのアンテナに引っかかって、落ちてしまった……その僕を見おろしてるアグイーの目は(灰色驢馬のことね、と真木は言い添えた)、この絵の通りでしたよ!



 オレは、この長編小説『晩年様式集イン・レイト・スタイル』の「空の怪物が降りて来る」の章を読了し、不思議な大きな感動に包まれた。久しぶりに胸に込みあげて来るものを感じた。そしてこの「サンチョ・パンサの灰毛驢馬」の章を読了し、さらに大きな感動に包まれた。


 ──アグイーが迎えに来たって!


 だからこそこの章は、あらすじを辿るようになるべく詳細に書きたくなった。 ──もちろんオレはiPhoneで検索し、『ドン・キホーテ』の「サンチョ・パンサの灰毛驢馬」の挿画を見た──

 大江健三郎の小説を読む人間はごく少数だ。ほとんどの人は読んでいないだろう。難解だというイメージがあり文章も平易ではない。しかし人間にとって、核心的な本当に大切なことが描かれているのだ。



 久しぶりに10センチほどの積雪があった。でも愛犬シーズーのシーは子どものように雪を楽しんでいる。さあ今朝も底辺から色づく東の空をシーと眺めよう。


 ──シー、散歩だよ!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ