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I am lost その2



 仙台のほとんどの書店で大江健三郎の文庫本、単行本は置かれていない。オレが確認したところでは、丸善だけが主要な文庫本を置いていた。ノーベル文学賞を受賞した作家であっても、ほとんど読まれていない現状がある。


 ──なぜなのだろう?


 村上春樹とどこが違うのだろう。難解だというイメージだけではないような気がする。とくに日本の若者層にとって、もはや根本的に大切なことを考える必要がないということ、わざわざ難解な小説を読む理由もないということだろうか? 自殺者がこんなに多い先進国は他にないのだが、読んでみればとても面白いと思うのはオレだけか……


 大江健三郎の長男は頭に障害をもって生まれ、そのことについてはいくつも小説で描かれているが、最初に書かれた長編小説には、イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクの1行が引用されている。


 I am lostとして……


 のちの作品の短編連作集『新しい人よ眼ざめよ』にも同じ1行が引用されているが、ぜひ今回紹介したい。



 赤んぼうは揺籠(ゆりかご)のなかで殺したほうがいい まだ動きはじめない欲望を育てあげてしまうことになるよりも


 誰ひとり自分より他を自分のように愛しはしない 自分より他を自分のように尊敬しはしない また思想によって それより偉大なものを知ることは不可能なのだ だからお父さん、どうして僕が自分以上に あなたや兄弟たちを愛せよう? 戸口でパン屑をひろっている あの小鳥ほどになら あなたを愛しもしようけれど


 お父さん! お父さん! あなたはどこへ行くのですか? ああ、そんなに早く歩かないでください、話しかけてください、さもないと僕は迷い子になってしまうでしょう



 今夜も日本酒を飲み愛犬シーズーのシーの寝息を聴きながら、YouTubeでニュースを観ている。もはや自民党には自浄能力はないのだろう。すべてが不誠実で誤魔化しでしかない。国民はもっと怒るべきだが、なぜ怒らない? だから自民党は国民を甘くみて誤魔化せばなんとかなるだろうと鷹を括るのだ。

 

 ──シー、もうすぐ散歩に出かけよう!




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