深淵な闇と歪み
U-NEXTで、オウム真理教事件後の信者たちに密着取材を行ったドキュメンタリー映画『A』と『A2』を観た。率直にとても驚いた。オウムを通じて、日本社会の闇と歪みを暴いた衝撃的な映画だった。
ノンフィクション作家の森達也が、家庭用のデジタルカメラを手に、さまざまなオウム真理教の施設に足を運んだ。
『A』とは、オウム真理教の広報部副部長の荒木浩(京都大学文学部卒業、京都大学大学院中退)のことであり、一連の騒動で日本中が震撼していた最中、彼を中心とした内側から記録した映像には、とても意外な現実が映し出されていた。
偏見に満ちたマスコミ報道や、警察の強引な行動や捜査の実態もよくわかった。
オレたちが、テレビや新聞で目にしたり耳にした多くの報道は、誤報であったり世間に迎合した偏見に満ちたものだったのだ。
あるオウム真理教の施設では、反対の地元住民が監視のために建てたテントがあった。ところが、信者と住民の間には、やがて心が通い親しい交流が生まれていた。しかしマスコミは、一切そのような報道は行わない。オウムは悪であり排除されるべきカルト集団だという偏見があったからだ。しかし現実には、地元住民と信者の間には温かな交流があったのだ。
また映像には、偽装した証拠によって信者を検挙するシーンも映っていた。たしかにオウム真理教は数々の凶悪な事件を犯したが、麻原彰晃逮捕後は目立った事件は起こしていない。しかし警察は、偽装した証拠で逮捕を強行し、国家権力の横暴といえる映像だった。実際、その映像が証拠となって、逮捕された信者は釈放されている。
現在、オウム真理教は、アレフと名前を変えて存続している。この映画には、ヘッドギアを着けて修行を行なう出家した信者の姿もあった。彼らは、麻原彰晃がすべて間違いだったと認めても、尊師を敬い信仰は揺るがないという。なぜなら、信仰は自分の心次第だから。現世の迷いを、尊師の言葉によって断ち切ることができたからだと。 ──これらの信者は、現実や事実認識が乏しいため麻原彰晃が犯罪者であることを本当に理解しているとは思えないが──
現実のマスコミは、自分たちの都合に合わせて虚偽の報道を平気で行なっている。警察も誠実な正義は持ち得ていない。そして現在も、麻原彰晃を、尊師と敬う信者が多数いる。これらの現実に、日本社会の深淵な闇が隠されていると思わずにはいられない。日本社会は、どこまで歪んでいるのだろうか……
今夜も日本酒を飲み、愛犬シーズーのシーの寝息を聴きながら、YouTubeでニュースを観た。
二階堂元幹事長が、5年間で50億円もの政策活動費を受け取っていた。政策活動費は政治活動費以外課税対象となる。普通に考えて、50億円もの巨額をすべて政治活動費に使ったとは思えない。残額は課税対象となるが二階堂は確定申告をしていない。脱税の可能性が大きいが、情けないことに、岸田は二階堂に対して何も言えないのだ。野党の追及もあることから、今後国税が二階堂への税務調査を行うか注目すべきところだ。もし国税が動かなかったら、そこには圧力があったと見るべきだろう。
さあ、もう少ししたらシーと散歩に出かけよう。底辺から色づく東の空を眺めこころを浄化させよう。