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コスモス(宇宙)のある詩人



 『生徒諸君に寄せる』


 諸君はこの颯爽たる

 諸君の未来圏から吹いて来る

 透明な清潔な風を感じないのか

 それは一つの送られた光線であり

 決せられた南の風である


 諸君はこの時代に強ひられ率ゐられて

 奴隷のやうに忍従することを欲するか

 ……(中略)……

 むしろ諸君よ

 更にあらたな正しい時代をつくれ

 ……(中略)……

 新しい時代のコペルニクスよ

 余りに重苦しい重力の法則から

 この銀河系を解き放て

 衝動のやうにさえ行はれる

 すべての農業労働を

 冷たく透明な解析によって

 その藍いろの影といっしょに

 舞踏の範囲にまで高めよ


 新たな時代のマルクスよ

 これらの盲目な衝動から動く世界を

 素晴らしく美しい構成に変へよ


 新しい時代のダーヴヰンよ

 更に東洋風静観のキャレンヂャーに載って

 銀河系空間の外に至り

 透明に深く正しい地史と

 増訂された生物学をわれらに示せ

 ああ諸君はいま

 ……(中略)……

 この颯爽たる諸君の未来圏から吹いて来る

 透明な風を感じないのか

             出典『朝日評論』



 皆さまは、この詩を書いた人物が誰なのかわかっただろうか? またこの詩になにを感じただろうか?


 岩手の農村で農業に向きあいながら、こんな世界観をもっていたことに、非常に驚かせられた。高村光太郎は、彼のことを「稀にみるコスモス(宇宙)の所有者であった」と語っている。



 近々、2020年第164回の芥川賞受賞作品の宇佐見りん『推し、燃ゆ』を読んでみようと思っている。当時、作者の宇佐見りんさんは、まだ21歳の大学生のようだったが……

 推しのアイドルが炎上してしまう、推しを推すことが=背骨らしい。アイドルを推したことのないオレが読んで何を感じるのか? どのような世界観なのか? はたしてコスモスのある世界観なのか?


 今までオレは、いろいろな小説を読んできたが、どこかでコスモスが感じられる作品を求めていたのかもしれない。宮沢賢治、大江健三郎は、とくにコスモスが感じられる世界観をもった作家だ。


 すぐに読めるのかわからないが、『推し、燃ゆ』を完読したら、また感想を書いてみたい。



 今夜も日本酒を飲み、愛犬シーズーのシーの寝息を聴き、YouTubeでニュースを観た。醜い人間がなんと多いことか。

 もう少ししたら薄明のなかを朝の散歩に出かけよう。至純の存在のシーにこころが洗われる。


 ──シー、どこまでも一緒だよ!




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