安倍晋三銃撃殺害事件
安倍派が解散し、あらためて安倍元首相銃撃殺害事件を振り返った。
事実は小説よりも奇なりというけれど、あの安倍元首相殺害事件は、まさに誰もが想像していなかった現実だった。フリージャーナリストの鈴木エイト氏が、当時あの事件についてかなり核心をついたことを語っていた。 ──暗殺が、おもに政治的・思想的動機に基づき要人を非合法に殺害することであるなら、山上徹也容疑者に政治的・思想的動機があったと思えないため、殺害という言葉にかえた──
今回、この事件をマスコミや各メディアがどのような報道をしているのか? かなり冷静に観察する必要があるという。鈴木氏が指摘するのは、安倍晋三の祖父である岸信介と旧統一教会の初期の頃の関係は報道していても、第2次安倍政権誕生から今回の殺害事件にいたるまでの期間における安倍元首相本人や第2次安倍政権または自民党と旧統一教会との関係を、きちんと検証したうえで報道しているメディアは皆無であるという。山上容疑者が、旧統一教会を恨み、もっとも影響力のあるシンパとして安倍元首相を狙ったのであれば、当然、第2次安倍政権誕生から今日に至るまでの旧統一教会との関係を検証し報道するのがメディアの責務であろう。しかしながら、そのような報道はなされていない、なぜなのか? 忖度なのか?
また山上容疑者が、安倍元首相の殺害を決意したきっかけになったといわれている昨年の9月に旧統一教会の友好団体UPFに送ったビデオメッセージ ──鈴木氏は、ビデオメッセージというよりもリモート登壇だといっているが── 鈴木氏は、安倍元首相と旧統一教会の関係があったという真実よりも、安倍元首相が旧統一教会との関係を「ついに隠さなくなった!」という衝撃の方こそ大きかったと語っている。
つまり安倍元首相は、この時点で「鷹を括った」可能性が高いし、実際に事件前年の9月にこの事実を報道したメディアはごく少数であり、大手の新聞やテレビで報道されることはなかった。そういった意味で安倍元首相が「鷹を括った」ことは間違いではなかったのだが……
しかし、このビデオメッセージ=リモート登壇を観た山上容疑者が、旧統一教会との関係が明らかになった事実ではなく、安倍元首相が旧統一教会との関係を「ついに隠さなくなった!」しかも「鷹を括っている」姿を、このビデオメッセージ=リモート登壇の映像から感じて殺害を決意したのであれば、なんとも悲劇的なことだろう。
当時、テレビ等のメディアで、旧統一教会のことがいろいろと報道されるようになった。ところが鈴木氏によれば、この事件を山上容疑者一個人の逆恨みによる凶行だと早急に幕引きをはかる動きもあるらしい。各メディアにおいても、やはり自民党と旧統一教会との関係を明確に検証しようとする前向きな姿勢があまりみられない。大事なことは、第2次安倍政権と旧統一教会がいかなる関係であったのかをうやむやにせず、しっかり検証しなければ、事件の真実はみえてこないということだ。 ──結局、いまだに明確な検証もなく真実はみえてきていない──
今回の裏金の問題もその使い道をおおやけにし、その収入に対して所得税を課すべきなのだ。当然、所得税法違反も視野に入れて。
ちなみに、この元首相銃撃殺害事件を考え、そして小説にてみたのが、拙作『シーと21世紀の阿呆船』
今夜も日本酒を飲み、愛犬シーズーのシーと一緒に寝ながら、YouTubeで小澤征爾指揮のブラームス交響曲第1番を聴いている。
──シー、どんな夢を見ているの?