堀辰雄 Part1
生涯にわたってどのような読書の仕方をして、どのようなものを選んで読んで来たのかによって、その人の人となりが、わかるという。
亡きオレの父は、おそろしく読書をしない無教養な人だった。 ──それでも将棋と麻雀はとても強かったらしい── プロ野球が好きだったので、よくスポーツ新聞を読んでいたが、本と定義できるものを読んでいるところを一度も見たことがなかった。
しかし、オレが小学校の2年生になると、特別に注文したのか、2つの段ボール箱いっぱいの童話等の本が届いた。オレはとても感激し、夢中になってそれらの本を何度も何度も読み返した。父が、まだ小学校2年生のオレを読書好きだと判断したのか、それとも読書の大切さを理解し、それらの童話等の本を注文したのか、もう確かめることもできないが……
堀辰雄は、『聖家族』にラディゲ、『美しい村』にプルースト、そして『風立ちぬ』にリルケというふうに、他の文学作品を跳躍台に利用して「本によって本を書く」という方法を試みた。そのことは、師匠であった芥川龍之介の王朝文学との関わりにも影響があったようだ。 ──ちなみに大江健三郎も、ブレイク、ダンテ、ランボー、ドストエフスキーなど海外文学の引用が多いが──
→Part2へつづく……
ようやく長雨が上がったので、今朝は愛犬シーズーのシーと散歩に出かけよう。気温も真冬にしては比較的高い。まだ熟睡しているシーの頭をそっと撫でる。
──シー、散歩だよ!