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大公殿下のお忍び訪問  作者: 尚文産商堂


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第50話

「この時間差につきましては、ホテル側の受け入れ態勢の問題という点であります」

少し紙をめくり、上杉課長があるところを見るように指示を出した。

そこはホテルの玄関、つまりロビーフロアの平面図と、その動線の図だった。

「ホテルは各自でチェックイン、さらにそれぞれの選任のスタッフが就くこととなっています。我々以外の職員ですが、身元調査はしっかりと手野武装警備、手野産業で行っておりますので、ご安心ください」

部外者のことが話されると、途端に大公側がムッとした表情になった。

それを見た上杉課長はさっと言い添えた。

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