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第36話
「……さて、と」
岡山で一泊してから一行は手野鉄道を経由して、さらにバスに乗り続けてようやく砂賀町役場前へとたどり着いた。
「まずは砂賀城の見学。それから友人と会われるという話だ。時間があれば、城見学の次に、隣にある寺へ移動するつもりである。今回はそのルート確認を兼ねているということを忘れないように」
中家が4人に伝えるが、すでにそれは知っていることだった。
大公家令嬢ともなれば、どこでだれが襲ってきてもおかしくはない。
そういうこともあって、あらかじめ見学するルートを確定させる必要があった。
昨日から今日にかけての一泊二日もそのための下見である。




