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第10話
「どうやら会いたい方がいらっしゃるそうです」
「この山奥に、ですか」
「ええ」
思わずもう一度聞き返す中家に、上杉課長はうなづきながら答えた。
どうやら本当らしい。
「しかし、どのような人物と会いたいのでしょうか。ゆるキャラの類でしょうか。それとも藩主のように歴史上の人物なのでしょうか」
相手が危険かどうか、それを判断するのもここでの会合の議題の一つだ。
「こちらで把握しているのは、相手は少女で15歳であること。高校生であること。それとあるゲームで協力プレイする仲だということです。詳細は次に訪れる大公側の人らが持ってくることになっています」
「つまり、ゲーム仲間のオフ会をしたいということなのでしょうか」
「……要約すると、そういうことです」
上杉課長は認めた。
