第二話 勝ちは無くても価値はある
少し1話は書き替えました。できればそちらもお願いします。
文章って難しい。
それは最早戦いとはよべないものだった。
ジンの攻撃は全て通らず。
ジャックの能力は意味をなさず。
アイヴェルに至っては気絶していて戦いに参加できてない。
弱点だと思っていた目もすでに狙われたことがあるのだろう対策済み、まして関節はあるにはあるが隙間など無いに等しいくそれどころか他のどの部分より硬い。
逆にエドワルドは鉄血による機械化をせずともただ鋼鉄化をしただけで事足りる。まさにワンサイドゲームだった。
そしてついにジャックも倒れ、残るは満身創痍で魔力も微小しか残っていないジンだけだった。
「もういいだろう?今なら公務執行妨害はなかったことにしてやる。もうお縄につけ。な?」
圧倒的力の差、相性の有利。それから来る余裕から温情を投げかけるエドワルド。
「へ、今なら許してくれるってか?そりゃいいや。」
諦めたような笑顔で返事をするジン
「許しはしない、法に反することだからな。しかし事情聴取での問いの答えによっては牢屋に入らなくても良くなるかもしれん聞きたいことも二三あるしな。どうだ、ここらでやめんか?」
そして、この「諦めろ」と言っているに等しいエドワルドの態度がジンの逆鱗に触れた。
「なめてんじゃねぇぞぉ!このデコスケがぁ!!」
激昂し目を血走らせ、まるでヤマアラシやハリネズミのように全身から針を生やし怒りで針化した髪を逆立たせるジン。
「阿呆が...」
「で?どうする?」
「.................」
ボロ雑巾のようにされアイアンクローで体を持ち上げられるジンがそこにいた。
理性が飛ぶほどキレ、獣のような動きになりボロボロの体とは思えない鋭敏な動きでエドワルドに向かって行っても結果は同じエドワルドはその図体でその能力で激昂したジンの素早さの上をいく。その全ての抵抗が無駄に終わった。
そう、ここまでは。
「おま.............よな..........」
「ん?なんだ?」
何かを言ってることに気づき耳を傾ける
「だからよ、お前...俺の能力じゃ絶対に自分は貫けないって思ってるよな」
と聞こえるか聞こえないかの息も絶え絶えな様子でそんなことを言い出した。
「........それがどうした。」
「事実そうだよ今の俺じゃその鋼鉄の体を貫くなんてできねぇ。相性最悪だ、どうにもならん。」
ジンではエドワルドの体は絶対に貫けない。それは誰がどう見てもわかることで、当たり前とすら言える事だった。
「だからよ、でもよ目は鋼化してないことに気づいてよ目ならいけるぞ?って目だけは突き刺せるぞって思ってさそこを狙ったんだよ、でもダメだった。」
「だろうな皆我が鋼の体に怯え目を狙う。私もこの仕事を始めて長い、目への攻撃も耳も鼻も言うのも汚いが尻の穴も対策して無い訳が無いな?」
エドワルドはその能力上まさに鉄壁、だが勿論目や鼻耳の穴は鋼ではなく弱点だ。しかし入社からもう30年以上たっているエドワルドがそんな弱点乗り超えていない筈がないのだ。
人生の長さは過去の教訓の多さである。それはそのまま戦闘力に直結する。チンピラ風情が長い間プロとして活動している戦闘員に勝てる道理など無いのだ。
「だからよ、考えたんだよ。考えて考えて考えて馬鹿は馬鹿なりに考えてよ.....」
「お前には....勝てないことはわかった。」
アイアンクローで上がったジンの視線が下がりエドワルドを睨みつけた。
「でもよ勝ちは無くても一矢報いるのに価値はあるよな、勝ちは無くても価値はあるよな!」
(相性は最悪。目への攻撃も鉄血で変形したまつ毛で覆っていて効かない。それどころかこいつの魔力はもう無い一体何を?)
この時確かにジンの魔力はほぼ空だ。だがそれは無闇やたらに攻撃していたからでは無い。
たった一回突き刺すために。
あらかじめ倒れる場所を決めて、怒り狂った振り|をして、仕掛け、移動させる為に。
そしてジンの目論見はエドワルドが立ち止まりジンを掴んで静止させた時に全てが成功という形で終わっていた。
「はぁ.....はぁ...当たれ........地針」
(なにかくる!?)
息も絶え絶えの技の宣言、しかしそこに底知れぬ危険性を感じ鉄血で変形させ覆った所を中心に強度を瞬時に上げる。しかし
言葉で表すならドスッだろうか?そんな音がしたのは本来なら誰もが一度は狙い諦める部分。
硬い鋼を使いさらに隙間など狙えるはずもない空間しかない肘の裏、後肘部を死角となるまた下からジンを掴むその右肘の後肘部にかけ極細の針が突き刺さした!
「ぐ、なにぃ!!」
痛みに驚くエドワルドしかしジンの攻撃は終わっていなかった。
「広がれ!『針葉樹』!」
掛け声とともにエドワルドに突き刺さった針が、枝葉のように分裂し広がった。
「ぐをおおおおおおおおお!!!!!!」
驚きと痛みにエドワルドが吠える。
それもそのはず絶対に効かないと、効くはずがないと確信し実際そうであったはずの箇所にまるで針に糸を通すように、糸のような隙間に針を通して見せたのだ。
「この!!!ガキ..が....」
残った左腕をジンに振り上げようとしたその手を止める。
「勝ちは無くても価値はある。か、してやられたよお前の事はもうただのチンピラとは呼べん。ふん、右腕がお釈迦になったぞ。」
ジンはすでにこと切れ突き刺したその針もそれと同時に消えていた。
報告すべき事案がいっぱいだとエドワルドが通信を掛ける。
「もしもし俺だ。」
「もしもし、ご苦労様です。通報先はどうでしたか?」
軽薄と言うよりフレンドリーと言うべきなのだろう。なんとも憎めない彼の部下がその通信に出た。
「あぁ、やっぱり例の三人だった。」
「ほぉ、噂の彼等でしたか!で、どうでした?」
と期待を込めた口調で聞いてくる
「捕まえたさ。抵抗はされたが勝ったに決まっておろう?余裕だったさ。」
余裕と言う言葉は右腕に重傷を負いながら言える言葉では勿論ないので言い直す。
「すまん、嘘だ。捕まえはしたが右腕がズタズタだ。俺合わせて4人のけが人、あいやその前にいたな合計12人だ。医療班頼む。」
ジン達三人が既に喧嘩した後であることを思い出しそのことを報告する。
「え!?エドワルドさんが怪我!?しかも結構重症!?嘘でしょ!?」
と怪我人の多さに対してでなくエドワルドの負傷について驚く部下。
「いや、相性は俺が圧倒的に上のはずだったんだがな?本気は出していない。しかし油断はしていないつまりだったさ、まさかここまでやられるとはとは....」
「その三人ってもしかして私より強かったり.....」
「例の三人だぞ?強さは前から大体知ってるだろ。ま、予想は超えてたがね。」
「私の存在意義がぁぁぁ」
「ふん、嘆くのはいいからさっさと医療班をよこせ出来れば特務部も頼む」
「え?そんなに?了解です。警務部戦闘課エドワルド・マビルスク課長」
こうして三人は超巨大会社にして世界の警察、ENV社総本部へと送られたのだった。
後で思いました。これテンションが少しジョジョだと。