表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

ディズニーシー

ディズニーランドに行く前に、攻略単行本を買いましょう。

FPファストパスの仕組みをしっかり把握していきましょう。

春休みなどの混雑時は、かなりの覚悟をして行きましょう!

重たい荷物は肩がこるのでやめましょう。一眼レフとか……持って行かないで良かった……。

無理をせずに自分に合った楽しみ方をしましょう~。



 春休みに……ディズニーランド……行くか……。


 2018年3月。

 仕事以外、ほぼ年中引きこもり気味のわたしが重い腰を上げたのには理由がある。一つは、下の娘が小学校を卒業した記念旅行として。もう一つは、わたし自身がこの機会を逃せば、一生――、東京ディズニーランドに行かないのだろうという怯え……ブルル。


 ディズニーランドに行きたくて仕方なかった……わけではないのだが、……旅行に行くのを決意したのだ……。


 春休みの東京ディズニーランド……。

 車で片道、直線距離約450キロメートル……。なぜだか顎を汗が伝う……。


 新幹線と車で価格を比較してはならない……。絶対に車になってしまうからだ……。新名神~伊勢湾岸道~新東名~東名~首都高~。十六時頃に仕事を終えて出発し、ホテルにチェックインしたのは0時を過ぎていた。


 途中、渋滞にゴッソリ巻き込まれた……。




 ディズニーシー


 妻のよし子(仮名)が、旅行会社で早割予約したヒルトンホテル。朝食バイキングは六時スタートなのだが、六時三十三分にはモノレールでディズニーシーに向かわなくてはならず……。


 食べる時間……ぬー。じゃない。……ねー。


 レストランが開くのと同時にどっと入り、バイキングをせっせと皿に盛りつけて食べる。同じ境遇の家族も数多く、料理の前に出来る列は、まさにその後の長蛇の列の予行練習の如き。

 黄色いヒラヒラした物が乗ったエビシュウマイや、優しい味がする豆腐のハンバーグ。トマトジュースや シェフが目の前で焼いてくれる玉子料理を……。


 もっと吟味したかった……。消化不良だ……。


 トイレに行く時間も惜しみながらいち早くホテルを後にし、モノレールで移動する。一日目をディズニーシー、二日目をディズニーランドに選んだのには理由がある。

 一日目は、昼間っから飲める(酒が)。二日目は運転して帰らないといけないので飲めない。ディズニーランドには、お酒がない……。親の都合だが、なにか問題でも?


 モノレールの扉が開くと、走って階段を下りていく人が多数――。この時間の差が、どれだけの差になるというのだろうか……。気が付けばわたしも走っていた――。


 入口ゲートの前には、開園一時間前に既に列が出来ていた。そして三〇分前くらいになると、ミッキーマウスの手袋をした人が一人出てきた。

「おはようございます。声が聞こえたら手を振ってくれますか~?」

 まばらな返事と、まばらに手を振る人に困惑しながらインカムマイクで注意事項を話し始めるのだが、お客さんに質問されるたびに、話を中断して親切に案内し、

「なにを話していたっけ?」

 クスクスと笑いを取る強者だった。


 簡単な手荷物検査を終え、入園ゲートを通ると、大勢の人が一気にダッシュをする――!

 まるでマラソン大会のスタート地点状態――!


 目指すは遠くのアトラクション! 近くは混む! 

 長男とインディージョーンズへ走る! 頭の中にはあの名曲が駆け巡る!

よし子と下の娘はFP(ファストパスと呼ばれる並ばなくても先に入れてくれるチケット)を取りにセンターオブジアースへ!


「走らないでください!」

 ……係員に何度怒られたことだろうか。まるで廊下を走って怒られる小学生に戻った気分だぜ。


 ――走って下さいってフリにしか聞こえないぜ――


 ……迷った。

 なんか……真ん中の大きな火山の中に入ったら、どっちがどっちか分からなくなった。


 顎を汗が伝い落ちるが、迷っている時間はない――。

 近くの係員に尋ねました。

「インディージョーンズ……どこですか?」

「あちらの緑のトンネル抜けた右側へ行ってください」

「ありがとう……ございます」

 もう、この辺でハアハアと息を切らしていた。早朝のダッシュは体に良くない。


 緑のトンネル抜けていく~。

 ――見つけた! インディージョーンズ!

 並ぼうとしたが……先に並んでいても、後から来るよし子達が途中へ割り込むことができない事に気付くと、愕然とした。


 じゃあ走った意味……なくない? 仕方なく……待つことにした。

 寝不足と疲労と虚無感の中、次々に長くなっていく人の列を見守っていた。


 四人揃ったので、ようやく列に並ぶ。開園して間もないのと、入り口ゲートから遠いこともあり、すぐに乗ることが出来た。さらにファストパスがとってあるセンターオブジアースは、時間が来れば乗れるシステムだ。

「最初が上手くいくと、トントン拍子で乗れるらしいわ」

 よし子は意気揚々である……。ママ友情報、あなどれません。


 インディージョーンズといえば、やはり魔宮の伝説だろうか。最後の大きな球と、ロープにぶら下がるジョーンズに感動した。

 ああ……よかった……。

 ディズニーシーのアトラクションで使われている映画……。他は殆ど見たことがない……。


 その後、レイジングスピリッツのファストパスを取った頃には、殆ど有名なアトラクションは待ち時間が一時間以上かかる状態になっていた。


 春休み……怖い。泣けそう……。


 仕方なく空いた時間でトランジットスチーマーライン(蒸気船?)に乗って移動し、お土産を見たり、コインロッカーに上着を置きに行ったり……。

 そうそう! 朝と昼で寒暖の差が激しい季節は、上着が邪魔で仕方がない……。コインロッカー五百円は……安い? 高い?


 そうこうしている間にファストパスで取っておいたセンターオブジアースの時間が来たので、火山の下にある乗り場から乗った。

 長く並ぶ列を横目に、ファストパスで優先して入るのは心地よかった。富裕層になった気分だ。ハーハッハッハッ!


 んん? だったらファストパスをたくさん取っておけばいいんじゃね? と思うかもしれないが、そうは問屋が卸さない。一度発券すると、次にファストパスが取れるのは二時間後らしいのだ。よくできている。ユニバーサルスタジオジャパンにはないシステムだ。


 しかし、まさか次の日、……そのチートアイテムのようなファストパスを取るために長い列が出来て並ぶとか……、ファストパスで乗るのにもかなり時間が掛かることなど……この時は知る由もなかった。


 センターオブジアースは、乗っている途中チラッと一瞬だけ外が見えたのだが……。

あとあと火山を外から見ていて、

「あれって、乗るの?」

 とよし子に聞いてしまった。

「乗ったわよ」

「え! いつ?」

「……」


 ……まさか火山の中を走っていたのが、センターオブジアースだったとは……。まったく気付きませんでした。


 十一時に昼食とした。レストランは昼時になれば混み、食べられないことが多々あるらしいので、早目に済ませることにしたのだ。


 こんな陽気に花咲く暖かい遊園地で……餓死するのは御免だ――。


 レストラン「ミゲルズエルドラドキャンティーナ」で、コンビプレートを注文し、トルティーヤに野菜や肉や辛いタコスやらを巻いて食べ、当然のようにビールを飲む。


 ――ああ、生き返る。ビールがうまい。走った後の……。

 昼間っから飲むと、その後、疲れるのは目に見えているのだが……このために生きているのだと断言したいぞ。


 ファストパスを取っていたレイジングスピリッツは、クルッと縦に一回転する絶叫マシーンで、酒が良く回った――。


 そして、絶対に外せない(らしい)タワーオブテラーのファストパスを取ると、そのチケットには「一七時」と記載されており、……アトラクション以上に驚かされた……。


 そうなのだ。

 有名なアトラクションは、どんどんファストパスも取られ、最後には無くなってしまうのだ。


 仕方なく並んだ海底二万マイルと、タートルトーク……。背負っていた荷物のせいで頭が痛くなる始末……。ごめん、しんどい。ダメダメ親父を実演してしまった。


 海底二万マイルは、本当に水の中に入ったように見え、凄いと思いました。

 タートルトークは、「コジマ」さんがいじられていて面白かったです。


 レストラン「セイリングデイブッフェ」で早目の夕食を取るが、寝不足と疲労で、食べ放題にもかかわらず、それほど食べることが出来なかった。


 エビフライがサクサクしていて美味しかったのと、ローストビーフを目の前で切って盛り付けてくれるのが良かった。あと、お寿司にいくらが乗っていたのが嬉しかった。タコスにアボガドの緑のソースと、赤いチリソースを付けて食べると……美味しかった。家でも食べてみたいと感じた。


 この日、最後に乗ったタワーオブテラーは凄かった。

 落ちるだけの絶叫マシーンは色々と乗ったことがあったが、真っ暗になったりする演出で、上がってんのか下がってんのか分からなくなり、次にどうなるのか予想がつかないところが最高だった。

 

 こうして一日目は、夜のパレードを見ることなくホテルへと帰ってグッタリと眠った。


 ――疲れた。

 足が棒になった。無駄に歩いた距離が多かったのだと思う。想像以上に人が混雑していた。


 わたしのいびきのせいで……、みんな寝られないと糾弾された。

「横向いて寝て」

 よし子はそう言うのだが……横を向いて寝ても……いつの間にか縦になってしまうでしょ……。


 ンガ~。


 ポケットにフライビーンズが五個入っている夢を見て、爆笑しながら目を覚ました。


 夢で爆笑するなんて……初めての経験だったが、ディズニーランドとは何の関係もなかった。


後半ディズニーランドにつづきます。

感想、コメントなどお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ