〜期間限定イベント〜 今回いただいたお題は、ペンギン、飛行機、工場、の三つです♪(・∀・) Part2
〜期間限定イベント お題募集〜
フェイスブックグループの小説家気分でおこなっております、
今回、いただいたお題は、
ペンギン、飛行機、工場、この三つ
さてさて、どんなストーリーになるかは作者も分かりませんが2つのストーリーを考えてみたのでお時間あるかたは読んでやって下さい(・∀・)
題『5年2組 青空翔太』
「‥‥‥‥ねえ、お母さん‥‥‥お父さんは?」
「お仕事で遅くなるって‥‥‥‥、まだしばらくはお家へ帰って来れないみたいだから先に寝ちゃいなさい」
「‥‥‥わかった‥‥‥」そういうと、翔太は 古ぼけた一枚の写真をポケットの中にくしゃくしゃとしまった。
‥‥‥‥‥次の日、
きょうは授業で 将来の夢というテーマで作文を書き、発表することになっていた。
クラスメイトの皆は、それぞれ色んな将来をえがき、楽しそうに発表をしている。
だんだんと僕の順番へと近づいていた。
「‥‥‥じゃあ、次はしょうたくん、将来の夢 発表お願いします」
そう担任の先生がいうと、さっきまで ざわざわと騒いでいた教室がシーンと静かになり、クラスメイトの視線が僕へとむけられた。
ガタンッ
教室をひととおり見渡し、僕はゆっくりと話しはじめた‥‥‥‥、
「‥‥‥‥‥‥将来の夢、5年2組 青空翔太‥‥‥」
「将来、僕は何になるんだろう? そう考えた時になぜか、父親の姿が浮かびました‥‥‥‥、
仕事仕事で何日もなかなか家に帰ってこないし、
久しぶりに帰ってきてもそれは夜遅くて、僕がもう寝てしまった頃なのでほとんど顔を見ることがありません‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥プロ野球選手、サッカー選手、バスケットボールの選手‥‥‥‥‥、
たくさん考えたけど、そんなことより
‥‥‥‥‥‥僕は、大人になったら ちゃんとお家へ帰って、自分の子供の話を聞いてあげられる‥‥‥
僕の父親とはちがう、あたりまえの大人になりたいと思っていました‥‥‥‥昨日まで‥‥‥」
ザワザワ
さっきまで静かだった教室が、ざわつき出し、担任の先生がそれがおさまるのをじっと黙って待っていた。
「しょうた君、続けてくれるかな」
僕の目を真っ直ぐにみつめて先生がいう、
「‥‥‥‥僕がまだ 小学一年生になったぐらいの頃、
なんとなくテレビを観ていて、南極にいるペンギンがうつったトキでした、
『あーすごい!ペンギンさんだ! いいなぁ見に行きたいなぁ! 南極だって!飛行機に乗っていつかそんなとこまで行けたら楽しいだろうなぁ!』
‥‥‥そういって、父親を困らせたことがあります」
「‥‥‥‥なんとなく 寂しかったことを感じ取ったのか、何も言わないまま 父親はただ ご飯を黙々と食べていました」
「しょうた、お前どこへも連れてってもらってないのかよ?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
「しょうた君かわいそう‥‥‥」
「そう思ってたんだ昨日まで、でも違ったんだ‥‥‥‥」
子供の頃の記憶は少しだけ曖昧で、どこへも連れてってもらってない‥‥‥‥、
そんな寂しい記憶ばかりだったけど、
「‥‥‥‥昨日ね、押入れから1枚の写真を見つけたんだ‥‥‥‥。
くしゃくしゃになってたけど大事そうに何回も何回も 手にとって 見てたんだろうなぁって、伝わるような一枚の写真だったんだ。
その写真の中で、僕、嬉しそうに笑顔ってたんだよ。
僕と父親と母親、3人で遊園地に行った時の写真でさ、
そのときの乗り物は ペンギンの姿をした 飛行機の乗り物だったんだ‥‥‥。
遊園地へ 3人で行けたのは それが最初で最後だったけど、とてもとても楽しかったんだよ」
あとで母親に尋ねると、
それは、僕があの日話していたことを父親が覚えてくれていて、
『いまはまだ連れていけないけど、いつかそんな夢を叶えてあげられたらなぁ‥‥‥‥』と、自分の勤めていた工場で作った 空飛ぶペンギンの姿をした乗り物だったそうだ。
 
忙しくて連れていけないから飛行機の乗り物をつくって喜ばせようだなんて‥‥‥、まったく不器用なあの父親らしい発想だなぁって思ったけど、
昨日、そのくしゃくしゃになってまで大事そうにしまってた写真の中の嬉しそうな顔をみて、
まんざらでもなかったんだろうなぁ‥‥‥、と少し僕は嬉しくなった。
「‥‥‥‥僕の父親は工場で色んなモノをつくっていて、毎日仕事で帰りが遅くて‥‥‥、
いっぱい話したり‥‥‥‥、どこかへ出かけたりはなかなかできないけれど、
世界中の子供たちの、かけがえのない夢を叶えています。
‥‥‥‥‥‥将来、もし僕が大人になったら父親のようにだれかを笑顔にできる、そんな大人になりたいです。 以上、5年2組 青空翔太ッッ!!」
(‥‥‥‥あの日の空飛ぶペンギンのように、僕にだってたくさんの笑顔を見つけることができるんだ‥‥‥‥)
青く澄んだ空を見上げるように、僕は作文のさいごを読みおえた‥‥‥‥‥。




