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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

宿角玲那の生涯(R15版)

作者:京衛武百十
2017年8月。一人の死刑囚の刑が執行された。宿角玲那(すくすみれいな)。享年、二十六歳と十ヶ月。

彼女が犯した罪は、殺人および殺人未遂。最終的に四人を殺し三人に重傷を負わせた。その三人は、いまだに後遺症で苦しめられているという。事件は彼女が二十一歳の時に起きた。それから何年も裁判をして、一昨年、死刑判決が確定してようやく執行されたという流れである。

彼女が死刑になったのは、そういう法律がある以上は仕方ないだろう。四人もの人間を殺したんだから当然なのかもしれない。

だが、彼女の境遇を詳細に紐解けば紐解くほど、そこに至るまでに何か打てる手はなかったのかという気分になるかも知れない。

これは、社会から徹底的に見捨てられ、人としての生き方も価値観も学ぶことがなく、心を育てることもできないまま復讐と報復に生き、そして死んでいった一匹の獣の物語である。










【胸糞注意】

R18として書き始めた「宿角玲那の生涯」の性的虐待の部分の表現を控えめにしたR15バージョンです。

この物語に分かりやすい救いはありません。主人公の宿角玲那は徹底的に不幸なままこの世を去ります。

なお、宿角玲那は、「僕に突然扶養家族ができた訳」に出てくる山下玲那(旧姓・伊藤)とは並行世界における同一の存在です。中学に上がった直後に両親が離婚することでルート分岐しました。なので、それまでは山下玲那の境遇そのものです。

以前から構想していた玲那の過去を、別ルートの彼女の物語の一部として書くことにしました。

母親が別の男と再婚し、かつ香保理とも絵里奈とも出会うことのなかった玲那の物語です。

しばらく不定期での連載になると思います。
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