1 転生
初連載になります。
過去作品のアクセスを見ますと、スマホ・携帯で見られている方が多く見受けられましたので、短めでさくさく投稿致します。ある程度プロットはできていますので、最後まで走り抜けます。
私は高校2年生。名前は東条冬華。
容姿は人並で、これといった特技も無。
目立った特徴がないというのが特徴の私。
でもなんと、自分でも驚くことですが私には彼氏がいます。
名前は一色つかさ君。
私の同級生で、学年で女の子から一番人気の男の子。
端正な容姿と、一匹狼風の印象から女子人気が高いイケメン。
そんな彼に私から告白して付き合う事になりました。
これまで交際経験がなく引っ込み思案な私でしたが、勇気を振り絞って告白しました。
それはある思いに押されたからです。
私には親友がいます。沢村藍花。
私より美人で頭もよく、何より気が合います。
乙女ゲームを通じて仲良くなり、気づくと親友というまでになっていました。
人当たりも良く男子生徒に人気の高い藍花ですが、不思議と彼氏はいませんでした。
そのことについて私が聞くと、「興味ない」との一言でした。
元々私が一色君を知ったのは藍花のおかげでした。
一色君と藍花は同じクラス。
放課後の教室で、二人は楽しそうに話していました。
「へぇ~、あの一匹狼の一色君が笑ってる」と軽く驚いたのを覚えています。
藍花に用があった私は、そこで彼と知り合いになりました。
実は私も「彼と付き合えるといいなぁ~」と漠然と憧れている女子生徒の一人でした。
しかし、他の女子生徒と同様に、話しかける勇気はありませんでした。
陰から彼を見守っていました。
そんな彼と実際に話し、私は彼に惹かれていきました。
でも、一色君が私の事をどう思っているかは分かりません。
だから私からは何もアクションを起こさないつもりでした。
思いはずっと心に秘め、「この時間が長く続けばいいなぁ~」と思っていました。
しかし、そんな私の思いに藍花は気づいていたのか、「一色君のこと好きなら告白してみれば、多分彼もあなたのこと好きだよぉ」と応援してくれました。
私は、「そんなことないよぉ~。無理無理、だって一色君だよ」と謙遜しましたが、心の中では「もしかしたら~」と思いました。普段はクールな一色君ですが、私達と話すときは笑顔です。それに何か意味があるのかも!と常々思っていました。それに、私の一色君への思いに気付いた藍花が「一色君が私のこと好き」と言ってくれるのです。私の心は期待に高まっていました。
そして私は、一色君に告白しました。
放課後の校舎裏。
校庭から運動部の声、校舎内からは吹奏楽部のにぎやかな音が聞こえてくる中。
告白した時、私の中の時間が止まったことを覚えています。
私の心臓はバクバクと、これでもかというぐらい高鳴り、手は震えていました。
告白した瞬間、私は彼から顔を逸らしました。見る事さえ恥ずかしかったです。
真っ赤になった私の顔を彼に見てほしくありませんでした。
きっとかわいい顔ではありません。
私にとっては世界で一番長い沈黙の後、「数日考えさせてほしい」と言われました。
私は少しほっとしました。
自信は有りましたが、心の底では断られるんじゃないかと不安でした。
でも、断られなかった。そのことに僅かな希望を抱きました。
断られるにしても、考えるぐらいには私のことを好きなんだと嬉しく思いました。
私は藍花に告白したことを話しました。
一瞬なんともいえない顔をした彼女ですが、直ぐにいつもの笑顔に戻りました。
それから数日後、私は一色君と付き合うことになりました。
天国のような日々でした。
緊張して手を繋ぐことを有りませんでしたが、私は充実していました。
そして付き合い始めて1ヵ月後、私は別の世界にいました。
乙女ゲームの世界に。
何故、どうやってこのゲームの世界にきたか分かりませんが、ある日目覚めるとこの世界にいました。
私が大好きな乙女ゲームの世界に。
それが始まりでした
ここまでお読み下さりありがとうございます。
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