4話
今日から俺達は各々の職業の訓練を受けるらしい。
「生須様の職業は司書ですので図書館に案内いたします。」
ガーネットが連れていってくれるらしい。
「ここが、図書館です。後の事は中の人に聞いてください。」
「分かったよ。」
ガチャ。
ドアを開けて入る。
ドサドサドサ!!
沢山の本の山ができていた。
「た、たすけてください。」
中から女の人の声がする。
「ありがとうございました。私はここで司書見習いをしております テイニー と申します。」
「あぁ、俺は生須 環だ。今日からここで司書の訓練を受けることになっているんだが。」
「あなたが、生須さんですか!勇者召喚で呼ばれたのに戦闘職業じゃないっていう。」
まさか、そんな噂が流れていたとは知らなかった。
「他にも、戦闘職業じゃない人はいるだろう?何で俺なんだ?」
「もちろん、他の人は生産職業だからですよ!はっきり言って司書何て死に職業ですよ!」
何て生き生き言いやがるんだ!自分も司書の癖に絶対こいつはドM だろ。
「今、ドMだと思いましたね?」
心が読めるのか?
「チッチッチッ、皆そう思うからですよ。」
格好つけていった割りにカッコ悪いな。
「結局ドM何だな?」
「そうです!!」
当たった!しかも、あれだけ引き伸ばしておいて、結局ドMかよ!
「テイニー!今日は、新しい見習いが来るんだからさっさとおしー!」
奥から黒髪セミロングの美人が出てきた。女王様の格好で....
「あら?もう来てたの?」
「は、はい。今日からお世話になります。生須 環です。よろしくお願いします。」
そう言って礼をするといきなり頭をピンヒールで踏まれた!
ドン!
いきなり踏まれて地面に顔面を強打してしまった。
「な、なにをするんですか。」
ヤバい、すごく強い力でおさえつけられている。
「あぁ、ゾクゾクしてくるわ~♪もっと、私にひれ伏しなさ~い♪」
「ずるいですよ!生須さん!それは、いつも私の役目なんです~!」
何、この人達...
俺は頭をピンヒールで踏まれながら思った。
俺が解放されたのはそれから1時間後のことだった。
「ふぅ、全く疲れたじゃない。」
「それはあなたのせいなのでは?」
「何いってるの!見習いの癖に!」
「まあまあ、落ち着いてくださいよ。まだ、生須さんに自己紹介をしてないじゃないですか。」
「そうね。ありがと♪テイニー、後でお礼をあげますからね♪」
「ありがと~です!」
「さて、自己紹介だったわね。私の名前は イーサ よ。よろしくね。」
「よろしくお願いします。」
今度は頭を踏まれないよう慎重に礼をする。
「ふふふ♪面白い子ね。そんなに毎回踏まないわよ♪」
「そうですか?分かりました。」
「うんうん。よろしー。」
「それじゃ~生須君に司書になるためにやってもらうことは次の項目です。」
人差し指を立てながら先生気取りで説明していくイーサさん。
「1、この図書館にある本を全部読むこと。
2、この図書館にある本を全部綺麗に整頓すること。
この、2つです」
「これだけですか?」
「これだけです。」
「但し、本を読むのは夜のみ。整頓するのは午前中のみです。それ以外は私の授業をテイニーと一緒に受けてもらいます。......調教の時間よ.....」
最後の方に良からぬ言葉が聞こえてきたが聞き間違えだろう。
「分かりました。」




