謎
「ラサラ、どう思う?」
俺は妖精のラサラに話しかけた。
「林原さんのこと?」
「そう!」
「今の所は何とも………、でも、同じ魔法使いだと想うの。今回の事と云い、前回の事と云い、秘密にしておきたいみたいだけど」
「だけど、何をしたいのか、俺をどうしたいのかが、よくわからない? 仲間にするとか、戦うとか。今度逢った時には、俺どうなるのかな?」
「こんど逢うときには、よっぽど注意しないと、いけないわね。何が起きるのか。何をされるのか。さっぱり、わからないから。林原さんの出方を見てからにしたほうが、良いわね」
「でも、でもよう。戦う事になったら、どうするの。俺、変身魔法しかしらなし。武器とか、攻撃魔法とか、ないし、それとも、その時は、攻撃魔法とか、どきるのか?」
「それは無理」
「無理って」
「だって私、変身魔法しか、できないから。それに、それは……たぶん、たぶん大丈夫だと想う。攻撃されても、大丈夫」
「たぶんって、どう云う事だ。戦ったら、俺は死ぬかもしれないんだぞ!」
「あなたには何か不思議なチカラがあるかも、しれないから。その、不思議なチカラが貴方を助けてくれると、思うから。私にもハッキリとは分からないけど」
「けどって、不思議なチカラって、なんだよ。俺はどうなるわけ。戦ったら、その、不思議なチカラで助かるわけ、意味分からない」
「私は変身魔法しか出来ないけど、林原さんの妖精は攻撃魔法とかも、使えるのかもしれない。だとしたら、ちょっと厄介かもしれない」
「厄介って、どういうこと?」
「普通はお互い干渉しあわないのがルールなのよ。でも、まれにルールを守らない妖精もいるの」
「ルールを守らないって、何処にでもいるんだな」
「もしくは、私達、魔法界に、何かが起きつつ、あるのかもしれないわ。林原さんも大人の女性だし。いつから魔法使いなのかしら、元々なのか、途中からなのか、どうなのか、そこの所が分かれば良いのだけど」
ラサラには分かっているような顔で空を見上げた。