アイドルになっちゃった
魔法が使えるのようになって、数日が過ぎた。
未だに俺は信じられるずにいた。
何で俺みたいなおじさんが、変身をして魔法少女になれるのか。魔法使いになって魔法をつかいたいと、憧れてはいた。でも、本当になれるとは想ってはいない。現実を考えれば、起こり得ないことだ。
でも、実際はどうだ俺は妖精に逢い魔法少女に変身出来るようになった。
本当はこの世界は魔法の国と繋がっているのかもしれない。
俺は変身をして、街にでてみた。
街中は日曜日の午後と云うこともあって、大勢の人が行き交っていた。
ふと、ウインドーガラスを見ると、そこには可愛い女の子がいた。
それは、もちろん自分だ。
そこに居るのは変身をして魔法少女になった自分であり、それ以外なにものでもない。
でも、自分だと分かっていても、胸の鼓動が速くなり、ドキドキするのが分かった。その娘があまりにも、可愛いすぎるからだ。
自分であって自分ではない。何だかおかしな感覚に襲われた。
ウインドウーガラスに映っている女の子を自分だとは到底思えない、あまりにも可愛いすぎるから。
もしかすると隣に娘のこが居るとしか思えない。でも一人しかそこには映ってはいない。それはまぎれもない自分だ、中身は40過ぎのおじさんだ。
「なにを、そんなに自分を見てるのよ。自分が可愛いからかしら。それって変よ、もしかして………」
と、ガラスに映る自分を見続けている俺に、ラサラが、意地悪そうに云ってきた。
「何を云っている。けして、そんなことはない」
「何、その云いかた。それじゃあ、まるっきり、おじさんじゃない。もっと女の子っぽく云いなさいよ」
「そ、そうか」
「魔法少女なんだから。女の子なのよ」
女の子と改めてそう云われるとすこしドギマギして、自分でも顔が赤くなるのがわかった。
確かに俺は憧れの魔法少女になったのだから、もっと何というか女の子にならないといけないな。
などと思っていると。
遠くの方で騒ぎ声が聴こえた。
その騒ぎ声が聴こえる方へ女の子達が走って行く。行きながら女の子達が「エリカが路上をライブやっている、みたい」と、キャッキャッ!口々に云いながら通り過ぎて行った。
エリカが路上ライブ? 本当か?
ファンの一人として、俺は行かねばなるまいと、走ろうとしたが、女の子はどう走るのかなと、ふと思った。
行くと本当にエリカがライブをしていた。
生で見るのは初めてだから、感激と興奮した。
「ねっ! 貴方もやってみたくない?」
「どういうことだ?」
「もちろん、アイドルよ!」
「アイドル?」
「ワン、ツゥー、スリー!!」
俺は俺はエリカのライブの前へ突然現れた。
俺が現れた瞬間、その場の時が止まった。その場に居た全員が俺を凝視している。
無理もない事だ、突然に人が現れたのだからな。
「貴女誰! 何をやっているの、そこどきなさいよ‼︎」
と、エリカの怒った声が聴こえた。
その声を合図に観ていた人達も声を上げた。
口々に何かを云っている。
俺は逃げるようにその場からさった。