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魔法の少女 カヤ   作者: ひなつ
20/22

絶体絶命

「何処までいくの?」

 林原さんは俺の云うことは無しして、森の奥へと奥へと、入っていった。

「さてと、ここら辺で良いかしら。やっと、二人きりになれたわね。私と貴女の妖精もいないし」

「こんな所まで連れてきて、私をどうするきなの?」

「何を云っているのかしら、決まっているでしょ。貴女には消えてもらうのよ」

『今度二人で逢いましょう。妖精を連れてこないでね。独りで来るように』と、云われた時点で分かってはいたが、恐れていた事が現実になった。

「貴方は攻撃魔法を使えない。それで間違いはないわね!」

林原さんは勝ち誇ったような笑みをみせた。

「そ、それは………」

 俺は言葉に詰まった。

「間違いはなさそうね。」

 林原さんは身長と同じ位の大きな杖を出して、それを私に突きつけた。

「これで、貴方もおしまいね」

 なんで、攻撃魔法ができる人が、いるのよ。

 私は出来ないのに。

 それを知っていてまた何で攻撃を仕掛けてくるの? 分からないわ。

 だいたい私は魔法を使ってアイドルに成って、一年の契約だから、それでで終わるのに。なのに何で攻撃を仕掛けてくるの?

「どうして、攻撃をしてくるの? わ、私は………理由は何なのよ」

「それは、貴方がオジサンだから」

「そんなの、理由になってない。オジサンだって、良いでしょ」

「あらそうかしら、オジサンは魔法少女になってはいけないのよ。決まりがあるの」

「そんなの、聴いた事がないわ!」

 でも、どうしたら良い。このままでは本当にやられてしまう。

そうだ! もしかしたら、攻撃魔法を使えるかもしれない。

 ある考えが浮かんだ。

 ゛タクト゛

 魔法の杖をだした。

「何をするきなの?」

 林原さんは不思議な顔でみていた。

 ゛メタモリューション゛

「変身? どういうこと。変身しても変わらないみたいだけど。何がしたいのかしら」

 頭に浮かんだ言葉を云ってみた。

「フレイブ」

 杖の先端から炎の球が相手めがけて飛んでいった。

「あら、攻撃できるじゃない。貴方も気付いたようね、どうすれば良いのか。気がつけば、意外と簡単な事なのよ。ただそれに気付かないだけ。多くの魔法使いに成った人が、それに気がつかないまま、終わってしまうの。もったいないわね」

 本当に気が付けば単純で簡単な事だ。こうなりたいと、強く想い変身すれば良いだけのこと。もっともっと強く想えば、強くなれるのかな? でも、期限が迫っている期限が切れれば元のおじさんになる、そんなのは嫌だ。このまま魔法少女であり続けたい。だから余計に、ここで終わりにはしたくはない。ちゃんと終わりにしたい。

「これで貴方もおしまいね」

 林原さんが自分に杖を突きつけた。杖の先に力が溜まっていくのがわかる。

 林原さんが呪文を云うと私目がけて飛んできた。

 逃げることは出来なかった。これでおしまいだと思った。

 意識が遠くなっていくなか、『この程度の魔法で…』 と、聴こえたような気がした。




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― 新着の感想 ―
[一言] 絶体絶命…。 その後何が起きる!? 今後の展開が楽しみです。
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