秘密がバレた!?
「お疲れ様です!」
と、私。
「お疲れ様、また明日ね!」
と、マネージャー。
コンサートも無事終わり、マネージャーと今日のコンサートの事今後のスケジュールの事等を話し、楽屋から出て来たところだ。
あー終わった!今日の仕事はお終い、帰ろ。
私は大きく背伸びをした。
楽屋から出口へ通じている廊下を歩いていると、『お疲れ様』と、ラサラが来た。
「お疲れ様。帰ろうか」
『うん! 今日のコンサートも良かったわよ!』
「ありがと」
えっ? 何でいるの?
出入口のドアまで来ると、林原さんが待っていた。最初にあった時と同じように壁に寄りかかってこっちを、私を見ている。
見た瞬間、私は何だかわかないが、強い不安感におそわれた。
「そのようすだと、分かってないみたいね」
と、云われても何を云われているのか分からなかった。それに、会うのは楽屋へ挨拶へ行ったとき以来だ。貴女の秘密知っているわよの先はまだ訊いてはいない。
それに何もかも分かっているかのような、見透かしたようなその目。苦手なのよその目。
「貴方、変身をする所を見られているのよ。そこの所分かっているの!」
えっ! うそ、ヤダ! 何で、何処で。
頭の中がグルグル回った。
うそ! 見られているいたの、分からなかった。そして、ラサラの方をみて聴いてみた。
『 私も気づかなかったわ』と、云ってきた。
でも、そういう事が分かっていると云う事は、林原さんも魔法使いなのかな?
私はずばり訊いてみた。
「林原さん貴女も、魔法使いなの?」
林原さんは不敵な笑みをみせて、「そうよ」と、云った。
「あっ! どうしよう、ラサラ」
私は想い出したかのように、小声で話しかけた。
「何を慌てている。心配しなくても大丈夫よ、私が始末しておいたから」
私が動揺しているのを見て、云ってきた。
「始末って云うことはもしかして·····」
「何を云っているの、私は記憶を消しただけよ。貴方が変身をするところだけね」
「ありがとう御座います」
とりあえず、お礼は云っておこう。
「だいたい、貴方達ねー、もっと考えなさいよ。私が気づかなければどうなっていたと想うの。この事が知られたら、魔法使いが居るって事が分かったら。貴方を追い掛けていた新聞記者、凄く悩んでいたわよ。『追いかけていたアイドルがおじさんだったなんて。信じられない、おじさんだったなんて』って、落ち込んでいたわよ。まだ誰かに話す前だったから良かったげど。たとへ誰かに話したとしても、にわかには信じ難いわね、おじさんが変身してアイドルになるなんて。でも記憶を消しただけだから、また貴方のことを追いかけるわよ。今度は気をつけなさいよ!」
「ちょっと、待って!」
「何かしら」
「林原さんが魔法使いなら、この世界には他にも、魔法使いが居ますか? 知っていたら教えてください」
「あら、それはどうかしら。居るか居ないかは、貴方自身て捜してみるとよいわ。それに、あまり首を突っ込まないほうがよくてよ。特に貴方はおじさんなんだから。突っ込みすぎると、後戻り出来なくなるわよ。」
「それは、どういう意味ですか?」
「あら、貴方の妖精さんが詳しいのではないかしら、ラサラさん。」
林原さんはラサラを見て、ニヤリと笑った。
「ラサラは知っていたのか?」
私はラサラを問い詰めようとした。
「いや、それは………、いろいろと事情というものが、あるでしょ。貴方は大人なんだし、その位察しなさいよ。それに絶対にそうなるとは限らないし、このまま何も無ければ魔法を、返してお終いだから」
このまま何事もなく魔法を返してお終いが、理想的なんだろうけど、そういう約束だし、それだと何だか寂しい気もする。正直このまま魔法少女を続けたいと云う気持ちもある。
まっ、なるようにしかならないか。




