スクープ
俺は何時ものごとく、コンサートを楽しみ、入口で見張っていた。
すると、あのオジサンが出てきた。
見た目は何処にでも居るような、オジサンだ。
俺はカヤとオジサンが同一人物ではないのかと思い始めて以来、疑問を確かめるべく見張り始めた。
最初のうちは仕事としてカヤの素性を調べるだけのはずが、今は自分の興味本意でしかない。
まさか本当に魔法少女だとすれば、これが事実だとすれば、この世に魔法は実在していると、云うことになる。
何回か後を付けてはいるが、だが普通なのだ。
好きなアイドルのコンサートを観て家へ帰るといった、普通の行動をとっている。何の警戒心もっていないようだ。
家へ帰っても人の出入りは無く、独り暮らしのようだ。
いつ変身をするのかと思っていても、変身をする気配がない。まてよ、コンサート会場へ入ってから変身をしているのであれば、会場へ入ってから後を付ければ良いのではないか。でも、何時会場に入るのか、俺は会場に入る所をまだ一度も見たことがない。
ますます疑問が沸いてきた。
まず、何処で変身をして楽屋に入るかだ。
自分のコンサートに自腹で入る訳はないだろうと思う。
考えるよりかは早く来て、来たらあとを付けるしかないな。
次のコンサート。
早く来て俺は見張っていた。
あっ! 来た。
開演三十分前。
あのオジサンの姿が見えた。こっちへ歩いてくる。
んっ! まてよ、車ではなく、歩き? なぜ歩きなのかな。やはり何かを警戒しての行動かな。それとも………分からない。ともかく、気付かれないように後を付けよう。
オジサンは中へ入ると入口ではなく、裏へ回り込んでいった。
俺は気付かれないように後を付ける。
そして、まわりからは見えない物陰へ入っていった。
やはり怪しい。
見られないように、気付かれないように、行動を見ていた。
すると、棒のような、あっ! 魔法の杖だよな、あれ。
それを振って上へ上げた。
すると先から光が出てきた。
光は螺旋状に回りオジサンを包みこんだ。光が消えると、そこにはカヤがいた。
俺は声も身体も動かないほど、驚いた!!
ほっ! 本当に変身をした。
夢ではなく、本当のことなのだ。俺の目の前で変身をして、コンサート会場の中へ入って行った。
俺は目の前で起きた事が信じられず、でも本当の事だし、それを確かめるために後を付けたのに、でも……。
頭の中は真っ白になり、何処をどう帰ったのか分からず、気付くと自分の部屋に居た。




