写真集
「カヤちゃん! 写真集を出すことになりましたよー」
と、楽しそうにマネージャーが楽屋に入って来た。
「写真集ですか?」
写真集と訊いて俺は少し、不安になった。
「そうよ。やっぱりアイドルは写真集をださないと、ダメよ」
「水着も、ですよね⋯⋯⋯」
「何を云っているのよ、当たり前でしょ!」
当たりまえと、云われて自分の顔が赤くなるのが分かった。
「なに、赤くなっているのよ。可愛い」
マネージャーは恥ずかしがって顔が赤くなっているのだと、想っているみたいだ。
そう、想われている方が良い。
でも、数日前に気付いたのだ、気付いてしまったのだ、アイドルの写真集を見て。
俺もアイドルなのだから、写真集を出さないといけないことに、いまさら気づいたのだ。気付くのが遅いと云われそうだ。
と、云うことは、俺が女の子の水着を着るということになるから.......だからだ。
だからと云って、どうするか考えても、どうにもならない。俺は今、魔法少女で女の子だから。
「どうしたの? 心配ごとでもあるの」
「ありませんよ、そんなこと」
何も云わないで考えこんでいると、マネージャーが心配そうに聴いてきた。
「日程だけど、場所は予算の都合で沖縄で日帰りです。強行軍になるけど大丈夫ね」
「それは分かっていますから、大丈夫です」
このプロダクションは何時も強行策をとるよな。遠くへ行く時は何時も車の中で寝ている。車中泊だ。ホテルで泊まったことがない。
小さいプロダクションで大変なんだろうけど、もっと自分が頑張って大きくすれば、ホテルへ泊まれるのかな。




