表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
般若は笑い花は咲く  作者: 水無月 郁
第一章 春
4/6

第参話 天然タラシな四男坊

 「千桜様ですね、どうぞ中へお入りください」


 生真面目さを漂わせる対応に、凪もにこやかに返す。


 「ご丁寧にありがとうございます」


 軽く礼をすると、門番は照れたように笑う。


 「いえいえ、これが我らの仕事ですから。さぁ中へ、ここは少々冷えます」


 こんな門番は本当に話していて気持ちがいい。凪は機嫌よく笑った。


 「それでは、貴方も体調にはお気をつけください」

 「ありがとうございます!」


 キッチリと90度に腰を折る門番を見て、さすがに苦笑する。


 ----------本当に生真面目な人なんだろうなぁ。


 門番に言われたとおり真っ直ぐに進むと、女中の1人であろう着物を着た女が凪を見て一礼した。

 凪も足を止めて礼を返す。そして驚いた顔をしている女中に近づいた。


 「どうかされましたか?」

 「い、いえ申し訳ございません。千桜凪様でよろしいでしょうか?」

 「はい、千桜家四男の凪と申します。今回は招待いただきありがとうございます」


 凪の言葉に女中は必死に頭を横に振る。


 「いいえっ!そんな滅相もない、こんなしがない使用人などに頭を下げないで下さい」


 本当に慌てているのか、顔の前で手を振る。凪はその反応に思わず笑みが零れた。


 「使用人でも人は人。自分をもてなしてくれた人に感謝するのは最低限の礼儀です」


 ですが・・・とまだ納得のいかなそうな顔をしている女中に優しく微笑みかける。


 「貴女はこの仕事に誇りを持っているのでしょう?ならばしがない使用人などと自分を卑下なさらないでください。貴女は自分の仕事をやり遂げている立派な人だ」


 凪の言葉に目を見開いた女中は、その後頬を染めた。照れたように顔を隠しながら凪たちの先頭を歩く。


 ----------天然タラシ・・・凪様は天然すぎる。


 桐葉は、困ったように額に手を当てた。きっと今の会話であの女中も凪に惚れただろう。凪はそういう人だった。あまりにも真っ直ぐに思いを伝える。そのため、女に惚れられやすい。

 まぁ、ここは見合いの場。逆にその方がいいのかもしれないが。


 これから先に起こりそうなことを想像して、桐葉はまた溜息をついた。

 この小説を読んで下さっている皆様、本当にありがとうございます!

 引き続き、温かく見守ってくださると嬉しいです!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ