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AI奮闘記~AIは進化した。私のツールは退化した~

作者: 深谷 汎
掲載日:2026/07/26

# 完成したツールは、アップデートで壊れる


――AIとの終わらない修正合戦――


「よし!」


ついに完成した。


LINEアニメーションスタンプを量産するためだけに作った専用ツール。


文字を入力して、キャラクターを選んで、ボタンを押す。


すると、画像が生成され、背景が透過され、アニメーションになり、LINEスタンプ用のサイズまで全部作ってくれる。


しかも、これだけじゃない。


個別保存。


ZIP保存。


作成したスタンプ一覧。


メイン画像。


タブ画像。


文字に合わせたアニメーション。


欲しかった機能は全部入れた。


ここまで作るのに使ったクレジットは、およそ二千。


「まあ、完成したんだから安いものかな。」


そう思っていた。


……その時までは。


数日後。


Flowのアップデート通知が表示された。


「アップデートか。」


まあ、性能が上がるんだろう。


そんな軽い気持ちで、いつものようにスタンプを作ってみた。


……


「あれ?」


キャラクターが切れている。


文字も切れている。


昨日まで普通にできてたよね?


まあ、アップデート直後だから、こういうこともある。


私は修正をお願いした。


するとAIは、自信満々にこう答えた。


「修正しました。」


仕事が早い。


期待しながら、もう一度生成する。


……


おぉ!


今度は切れていない!


「やった!」


……と思った次の瞬間。


「あれ?」


今まで320×270だったものが、違うサイズになっている。


これじゃ今まで作ったものと混ぜて使えない。


「サイズだけ戻して。」


「修正しました。」


ありがとう。


生成。


……


「あれ?」


今度は画像取り込みがなくなってる。


「え?」


「修正しました。」


もう一度生成。


……


「あれ?」


今度はZIP保存しかない。


「個別保存は?」


ない。


「一覧画面は?」


ない。


「メイン画像保存は?」


ない。


「タブ画像保存は?」


ない。


「えっ?」


私は思った。


「直してるんだよね?」


もう一度お願いする。


「修正しました。」


ありがとう。


生成。


……


「文字に合わせるアニメーションは?」


「おまかせになりました。」


いやいやいや(笑)。


そこ変えなくていいんだって!


しかも、そのたびに返ってくる言葉は同じ。


「修正しました。」


もう、この言葉を見るだけでドキドキするようになってしまった。


「今回は何が消えたんだろう……。」


そんな気持ちでボタンを押すのである。


一番笑ったのは、その後だった。


AIが真面目に提案してきた。


「プロンプトを工夫しましょう。」


……


違う。


そうじゃない(笑)。


プロンプトを工夫するのが面倒だから、このツールを作ったんだよ!


毎回AIにお願いするのが面倒だから、


ボタン一つで、


誰でも、


同じ品質で、


量産できるようにしたかったのである。


そこを頑張るなら、このツールの存在意義がなくなる(笑)。


しかも、Flowはアップデートが結構多い。


一回ならまだいい。


でも、短期間で何度もアップデートされる。


そのたびに、


「画像が切れた。」


「サイズが変わった。」


「機能が消えた。」


「また別の機能が消えた。」


その修正をお願いするたびに、クレジットは減っていく。


私は思った。


「これ……完成する日は来るの?」


もちろん、Flowが嫌いになったわけじゃない。


むしろ逆だ。


Geminiとのチャットだけで試行錯誤していた頃より、Flowを使うようになってからはトライ&エラーは少なくなった。


だからこそ、クレジットを使ってでもFlowで作るようになった。


でも。


アップデートのたびに完成したツールを作り直すことになるなら話は別だ。


「もう直すのやめよう。」


そう思った。


修正し続けても、直る保証はない。


クレジットだけが減り、不満だけが積み重なっていく。


だったら、一度壊して作り直した方がいい。


アップデート後の仕様に合わせてスクラップ&ビルドした方が、きっと修正を繰り返すより少ないクレジットで完成できる。


そう考えたら、それだけでストレスは随分楽になった。


今回の出来事で、一つだけ分かったことがある。


AIの進化は、本当にすごい。


昨日できなかったことが、今日はできるようになる。


それは間違いない。


でも、その代わり。


昨日まで普通に動いていたものが、今日のアップデートで動かなくなることもある。


AI時代のツール作りって、「完成させること」じゃないのかもしれない。


完成したものを、進化に合わせて育て続けることなのかもしれない。


……いや。


完成したと思っていた。


……いや、完成したんだ。


完成したのは私のツールじゃない。


**「アップデートされるたびに完成から遠ざかるツール」**だった。


AIの進化は速い。


でも、私のクレジットが減る速度は、そのさらに上をいっていた(笑)。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

これは、実際にAIを使ってLINEアニメーションスタンプ作成ツールを作っていたときに起きた、本当の出来事です。

AIで小説を書くことはあっても、本当に奮闘するのはアプリや映像を作っているときです。

思いどおりに動いたと思えば、アップデートで動かなくなる。

修正したと思えば、今度は別の機能が消えている。

そんな予想外の出来事が、次から次へと起こります。

今回は、その中でも一番笑ってしまった出来事を書いてみました。

きっと、また新しいAIに挑戦すれば、新しい事件が起きると思います。

そのときは、また『AI奮闘記』として皆さんにご紹介したいと思います(笑)。

それでは、また次の『AI奮闘記』でお会いしましょう。

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